「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

アヴァロン Avalon

a0003784_20228.jpgポーランドロケによる荒廃した近未来を舞台に、仮想戦闘ゲーム‘アヴァロン’をめぐる闘いを描く。ということになっている。押井 守の作品の中では、独りよがりな部分が無く、映画としての完成度も非常に高く、個人的には凄く高く評価している。
それだけに、アニメファンの評価は色々だろうけどね。
仮想現実ゲームを舞台にしているが、物語のテーマは、「自分の意識」の曖昧さ、その不安感は現実に自分が今立っている日常の中にも潜んでいて、現代の人間はみな大なり小なり薄々感じているあの感覚である。
舞台は押井好みのレトロなヨーロッパな町並みで、色はセピア。やっぱりねと思っていた俺だが、物語のクライマックスでゲーム世界がクラス・リアルに移行したとたん、本来の現実の町に現実の色でヒロインは立ちつくす。ここで、思わず俺は「やられた」と思った。従来の押井ファンは、それこそ裏切られた、とまで思うかも(笑)
いったいどこまでがゲームでどこからが現実なのか。
すべては観客の受け取り方に任されている。観客の数だけ解釈があるのだ。
すべてはヒロインの長い長い幻想とも取れるのである。
以下少しネタバレ-----------
まず、アッシュがリセットで現実に戻ったあと、愛犬がいなくなっている。
図書館で借りた本の題が日本語、ページは真っ白、となってくると俺を含む多くの観客は、アッシュは実はまだゲーム内にいるのでは、と感じる。
が、クラス・リアルに入ることにより、それ以前の設定「遠くない未来」もまたゲーム世界なのではないか、という疑念が根ざすようになっている。
まるでアニメそのままの、主人公たち以外、動きを止めた背景の人々とか、いつもの演出か、と思っていたものが、すべて、「これは虚構だぞ」という強力なサインになっていたのだ。
リアルに戻ったアッシュが、最後に銃口を向けたゴーストの少女。
アッシュが打ち砕こうとしたのは、果たして天使なのか悪魔なのか?
すべての判断を観客に委ねたまま、物語は幕を閉じる。
映像・音楽とも申し分ない作品である。
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Commented by ambrose at 2004-05-23 22:40
私もAVALON好きです。音楽も大好き。
クラス・リアルに移行してからの色のきれいさには驚かされましたよ。
映画館に観にいったときは女性が10人も居ないような状態でカナリオトコ臭かったのも印象的です(笑)。
Commented by murbo at 2004-05-24 12:26 x
絵は好きなんですよねぇ。それで押井作品には何度も騙されましたよ。AVALONも今度こその気持ちで見に行きました、岐阜から名古屋まで行って。そして騙されました。
だからイノセンスは見に行きませんよ。
Commented by kuri at 2004-05-24 23:39 x
騙されたといえば、もう「紅い眼鏡」でしょう。
その後「地獄の番犬ケルベロス」で騙され(後半、うとうとしちゃいました)、「人狼」で騙され・・・
騙されなかったのは「攻殻」ぐらいでしょうか。
原作があると、ある程度抑制が利いてよいみたい。
Commented by murbo at 2004-05-25 13:34 x
僕もケルベロス、人狼にも騙されてます。紅い眼鏡は中学生だったのでシネマスコーレへよう行きませんでした。行ってればもちろん騙されていました。
押井ブランドは手を出さないつもりだったのにDVD「東京スキャナー」を購入。どれだけ騙されれば気が済むのか…
押井ブランドの壷や布団があったら間違いなく買ってます。やばいです。
Commented by hajime_kuri at 2004-05-30 10:34
>押井ブランドの壷や布団があったら間違いなく買ってます
いけない、いけない、といいながら買ってしまう。
酒やタバコ、いや金額がはるだけにそれはまさに、
覚せい剤なみです。
「イノセンス」が見たくなってきた(笑)
by hajime_kuri | 2004-05-23 19:58 | 映画 | Comments(5)