俺の闘病記 10 「うつ」について
2004年 07月 10日
「うつ」になると自分を客観的に見ることができなくなる。
著しく自分を過小に評価して、自分の能力そのものを信じられなくなる。
そして、以前は即断即決できたことにすら決めるまでに1週間もかかるようになる。
何か失敗をしたことなどが、きっかけで、自分を責めて責めて「うつ」になる、少なくとも俺はそうだった。
俺が「うつ」になるきっかけは、WEBに関する仕事上の失敗である。
営業担当から、ぜひこのデザイナーを使いたい、という要望があり、デザインをしてもらった。でも「WEBのデザインはしたことがないので自信がない」というので、WEB制作会社とコラボってもらった。俺がもっと深く関与していればよかったのだが、社内システム系の仕事を手伝っていて、とても手伝えなかったという事情がここに絡んでくる。
不幸にして、客先の担当は「ビルダ」程度は使えて、デザイナーよりはネットに詳しかった。ということで、ネットに疎いデザイナーは、その担当に抗弁できずに、不本意ながら、とんでもないものを作らされてしまった。
WEB制作会社は、あきれながらも制作したが、最後の最後に相手の社長から、こんなのだめだとダメを出された。相手の担当は、すべてを当社のせいにしてだんまり。というところ。結局、その仕事はとれず、制作会社への支払いだけが残るという結果になった。
そして、罪はすべて俺が一人でかぶったのである。
これをきっかけにして、失敗が恐ろしくなった。萎縮する。「うつ」になる。
思うのだが、「うつ」になるやつって、けっこういいやつなんじゃない。
自分に厳しい、人を責めない、我慢する。
これって、武士道じゃん。
現在、「うつ」と戦っている人に言いたい。
あなたは、そこらのやつよりよっぽどいいやつだ。生きるべき人だと。
だから、「自分を責めるな」「自分を許せ」と。
「うつ」から立ち直って思うこと。
「俺って弱いやつだから」と素直に思う。
そして、「俺も人間だから、完璧ではない」と許すこと。
でもそれだけだと片手落ちだから、他人に対しても、「しょうがねえなあ」と思いながら、「人間だから、間違いもある、得手不得手、向き不向きもある」と許すようにしている。
そういう意味では、昔の俺ではなくなっている。
「うつ」を経て、少し大人になったかな、とも思う。
失敗を軽く考えるわけではない。十分反省はする。
でもそれを引きずらないことです。
失敗を恐れて何もしないより、失敗して何かを学んだほうがずっといいのだ。
それは情緒的にはつらいことけどさ。
何よりプライドずたずたになるし。
でも仕事の上での失敗なんて、別に命に関わるものでもないし、命で責任を取るほどのことでもない。せいぜい金で解決がつくことだ。
自分の命や、幸せ以上に大切なものなど、この世の中にはない。
断言する。
自分の命で償わなければならないものなど、世の中にはまず無い。
※ところで、人事考課関係で、最近流行の自己評価システムってのは「うつ」病の患者には酷なシステムだよな。そういうシステムにするなら、同時に社内にセラピストや心の相談室ぐらい置けよ、というところだ。
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)
1988 獣の歌/他1編・栗林元
神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元
盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
著しく自分を過小に評価して、自分の能力そのものを信じられなくなる。
そして、以前は即断即決できたことにすら決めるまでに1週間もかかるようになる。
何か失敗をしたことなどが、きっかけで、自分を責めて責めて「うつ」になる、少なくとも俺はそうだった。
俺が「うつ」になるきっかけは、WEBに関する仕事上の失敗である。
営業担当から、ぜひこのデザイナーを使いたい、という要望があり、デザインをしてもらった。でも「WEBのデザインはしたことがないので自信がない」というので、WEB制作会社とコラボってもらった。俺がもっと深く関与していればよかったのだが、社内システム系の仕事を手伝っていて、とても手伝えなかったという事情がここに絡んでくる。
不幸にして、客先の担当は「ビルダ」程度は使えて、デザイナーよりはネットに詳しかった。ということで、ネットに疎いデザイナーは、その担当に抗弁できずに、不本意ながら、とんでもないものを作らされてしまった。
WEB制作会社は、あきれながらも制作したが、最後の最後に相手の社長から、こんなのだめだとダメを出された。相手の担当は、すべてを当社のせいにしてだんまり。というところ。結局、その仕事はとれず、制作会社への支払いだけが残るという結果になった。
そして、罪はすべて俺が一人でかぶったのである。
これをきっかけにして、失敗が恐ろしくなった。萎縮する。「うつ」になる。
思うのだが、「うつ」になるやつって、けっこういいやつなんじゃない。
自分に厳しい、人を責めない、我慢する。
これって、武士道じゃん。
現在、「うつ」と戦っている人に言いたい。
あなたは、そこらのやつよりよっぽどいいやつだ。生きるべき人だと。
だから、「自分を責めるな」「自分を許せ」と。
「うつ」から立ち直って思うこと。
「俺って弱いやつだから」と素直に思う。
そして、「俺も人間だから、完璧ではない」と許すこと。
でもそれだけだと片手落ちだから、他人に対しても、「しょうがねえなあ」と思いながら、「人間だから、間違いもある、得手不得手、向き不向きもある」と許すようにしている。
そういう意味では、昔の俺ではなくなっている。
「うつ」を経て、少し大人になったかな、とも思う。
失敗を軽く考えるわけではない。十分反省はする。
でもそれを引きずらないことです。
失敗を恐れて何もしないより、失敗して何かを学んだほうがずっといいのだ。
それは情緒的にはつらいことけどさ。
何よりプライドずたずたになるし。
でも仕事の上での失敗なんて、別に命に関わるものでもないし、命で責任を取るほどのことでもない。せいぜい金で解決がつくことだ。
自分の命や、幸せ以上に大切なものなど、この世の中にはない。
断言する。
自分の命で償わなければならないものなど、世の中にはまず無い。
※ところで、人事考課関係で、最近流行の自己評価システムってのは「うつ」病の患者には酷なシステムだよな。そういうシステムにするなら、同時に社内にセラピストや心の相談室ぐらい置けよ、というところだ。
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)
1988 獣の歌/他1編・栗林元
神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元
盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
by hajime_kuri
| 2004-07-10 00:32
| 糖尿病