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by hajime_kuri

「帝都探偵物語〈1〉人造生命の秘密」(赤城 毅) 光文社文庫

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 時は大正十四年、帝都東京に突如不死身の怪人が現れた。その正体は、狂気の元軍医が生み出した人造生命だった!
 思わず、ああ、またかという設定(笑)
 古くは帝都物語を始めとして、明治大正昭和初期を舞台にした探偵ものは数えきれないほどある。また、それにホラーやSFや軍事を絡めた作品も多い。
 もし俺が作者なら、この設定を考えただけで、もう作品化はしなかったと思う。
 が、作者は作品化してしまった。しかも、とことん面白く。その原因は、主人公木暮と彼を取り巻くキャラクターたちの魅力につきる。なるほど、ここまでキャラ立ちさせるなら、手垢のついた設定でもいいな、と思い知らされる。むしろ、面白さに関しては間違いないだろうという安心感すら感じさせる。
 怪奇事件専門(本人は望んでいない・笑)探偵の木暮十三朗。恩人にしてパトロンの娘・礼乃(れいの)。美少年(高畠華宵がモデルに所望するかもしれないほど・笑←うまい)のスリ・渡(わたる)。典型的な少女漫画のキャラではないですか、この確信犯め。
 彼らの今後の冒険の結末が知りたいだけで、もう次の巻を買う気にさせてしまう。シリーズものの気持ちよさをよく知っているなあとうれしくなった作品だ。
 ただしアニメ調の表紙は個人的にはいただけない。表紙だけで引いてしまった年長読者もいるのではないだろうか。また気になったのは、「ばっちり」という礼乃の言葉。大正時代にこんな表現はあったのだろうか。ひょっとしてあったのかもしれないが、俺は作品の中で違和感を感じた。面白いだけに残念だ。
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by hajime_kuri | 2004-08-01 18:59 | ミステリ | Comments(0)