「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

カテゴリ:SF( 23 )

拙著、新刊ご案内。Kindle形式のみです。

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 昭和十八年八月、理化学研究所の若き病理学者・如月一心は長野県上諏訪町の陸軍第九技術研究所分室の「ミ号計画」に招聘された。
 「ミ」とは、諏訪地方に縄文時代から残るミシャグチ信仰に由来する。ミシャグチ神の血を受けた者は不老不死のヴァンパイアとなる。日本では古来より国難の際の「特別な兵」としてヴァンパイアの特殊能力を密かに継承してきた。
 「ミ号計画」とは、このヴァンパイアを使った「超人兵部隊」の研究だった。
 如月が分室で出会った守矢竜之介中尉と守矢公彦少尉、そして職員の守矢みどりの兄弟は、代々、神長官としてミシャグチの血の系譜を守り続けてきた守矢一族の末裔だった。ヴァンパイアは昼間は活動できないため守護者が必要なのだ。
 如月は、ミシャグチの血を継承する姫巫女・美沙(四百歳)と謁見する。彼女を診察しながら、不老不死や超人的筋力などの能力も、光過敏や食性変化(人血嗜好)と同じ風土病の「症状の一つ」であると感じる。
 一方、竜之介は全国から四人の実験兵を選抜した。中野学校二俣分校の西城真一。関東軍対ソ特殊部隊の南部陽兵。挺進大隊(落下傘部隊)の東郷隆。そして玉砕した部隊の唯一の生存者・北島晃。彼らは、姫巫女・美沙との契りを経てヴァンパイアとなる。
 昭和十九年七月、沖縄に試験配備された実験部隊の運命は? 
 そして終戦、姫巫女・美沙と守矢一族はミシャグチの血の秘密を守れるのか?
 守矢竜之介の実験部隊と日米陸軍との三つ巴の戦いの決着は?
 昭和から平成を生きた「不死なる者」たちの運命を描く、一大叙事詩が今スタートした。

目次
序章 不死の夜 昭和二十年五月
第一章 陸軍第九研究所諏訪分室 昭和十八年九月
第二章 常闇の系譜
第三章 選ばれし四人 昭和十八年十月
第四章 鬼神、覚醒す 昭和十九年一月
第五章 不死者たち 昭和十九年六月
第六章 ミ号実験部隊出陣 昭和十九年七月
第七章 忍び寄る危機 昭和二十年一月
第八章 実験隊全滅 昭和二十年五月
第九章 最後の戦い 昭和二十年八月
終章 不死の曙 昭和二十年十月



薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
小説指南・栗林元
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by hajime_kuri | 2017-08-11 22:33 | SF | Comments(0)
電子フリーペーパー「電子PUB」第三号が配布開始。
ここで、新しい作品を連載開始しました。
よろしくご注目ください。

電子パブ第三号
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by hajime_kuri | 2015-02-01 07:28 | SF | Comments(0)
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SF小説には、架空の社会制度を想定して、その社会を舞台にした物語を紡ぐものがある。古くはレイ・ブラッドベリの本が禁止された社会を描いた「華氏451度」。最近では、「イキガミ」など、このジャンルには傑作が多い。
今回ご紹介するのは、弾射音の「デイズ・オヴ・ホミサイド」という作品。意味は「殺人時代」かな。
人々の脳の中身を記憶から性格からすべてをバックアップするようになった近未来。人々は一週間に一度自分の脳をバックアップしている。死んだ後も仮想空間で最長一週間前の自分にロールバックして生き返ることができるのだ。仮想空間には、勤務先の支店まであり、やりかけの仕事は「あの世」に転勤して続けることができる。死の意味が恐ろしく軽くなった社会なのである。
ここでは、人を殺しても、周囲の人からは「電車の中で酔っぱらってゲロを吐く」程度のひんしゅくを買うだけだ。
主人公は女を殺して、仮想空間によみがえった女から復讐をされるのだが、死んでもそれほど困らない社会で、どのような復讐を行うのか。また仮想空間から実空間の主人公にどう復讐するのか?
1アイデアでぐいぐいと進むストーリーに引き込まれる。
作者は、第一回インターネット文芸新人賞で登場したのだが、もっぱらネットで活躍してきた。電子書籍が注目を浴びる今こそ、時代が彼に追いついたと言えようか。
ボーカロイドが楽譜や楽器と言う壁を壊して新しい音楽の才能に道を開いた。今、電子出版が、印刷や製本や発行部数と言う壁を壊して新しい文学の才能に道を開いたということか。
SFファンは必読だよ。

デイズ・オヴ・ホミサイド

華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編・栗林元

神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元

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小説指南
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by hajime_kuri | 2014-02-02 19:22 | SF | Comments(1)

 サイボーグ009が連載されたとき、私は小学2年生ぐらいだった記憶がある。その後、高校2年の時に、見よう見まねでマンガを描くようになった時、未完のままの「天使編」に出会い、この作品の価値を再発見した。ちょうど「マンガ少年」という月刊雑誌が朝日ソノラマから発刊され、マンガやストーリーを創作しようという若者の間で話題になったころである。
ということで、009にはちょっとうるさい俺なのだが、このアニメには感心した。未完の「天使編」「神々との戦い編」をこう解釈したかと感心したのだ。作者もこれならうれしいだろうなと思う。
冷戦時代に生まれたサイボーグ戦士たちが、冷戦終了後にその役割を終えている現実がいい。そして、911以後の世界で、人類が直面する敵は、人類自身の心の中にあったということが極めて優れた表現で語られる。
まさに、中東をはじめとする現代のテロとの戦いは、心の中の「憎しみ」が原因である。その相手に対する、「憎しみ」の心こそが、人類を滅ぼそうとする「敵」ではないのか。この「感情」は生物として当然のものであり、ある意味、造物主から与えられたものである。それに抗うと言うことこそ「神々との戦い」ではないのかと。原作当時、地球環境に対する人間の驕りに対する、神罰的な意味であったろう「神からの戦い」は、現代では、「神からの試練」へと解釈を変えたのだ。
この映画のラストは、初期シリーズの伝説的なラストに対するオマージュになっている。いい年をした親父の俺が、少年時代に読んだ感動を思い出して、ちょっぴり涙腺が緩んだよ。
みんなに見てほしい映画である

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by hajime_kuri | 2013-10-21 18:45 | SF | Comments(0)

カイム。永遠の生を生きる男―すなわち、死ねない男。数えきれないほどの人の誕生と死を見つめながら一千年の旅をしてきたカイムがかつて訪れた町、出会った人々。あまりにも短くはかない、だからこそまばゆい、人間の命の輝きがそこにある。ゲームとのコラボレーションから生まれた一期一会の奇跡の物語。(アマゾンより)
これはX-BOX360用に作られたRPGのためのサブストーリーだ。死ねないカイムはSFで言うところのメトセラ(長命族)である。だからこそ、短い生を生き、次世代に希望をつなぐ人々に向けるまなざしの優しいことよ。そして、終わりのない生を、傭兵と言う血塗られた職業で生き続ける悲しみ。
人々が次世代に託すのは愛や希望だけではない。敵に対する憎悪もまた連鎖していく。そのむなしさはどうだ。
重松清はこの作品で、ゲームを離れた普遍的な物語を紡いでいる。それは1000年にわたる人類の業だ。
ゲームではクエストを一つクリアするごとに、1話ずつこの物語が解放される仕組みだったようだ。何とも力のこもったコンテンツだったのだなあと、感心する次第だ。


永遠を旅する者 ロストオデッセイ 千年の夢 (講談社文庫)

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by hajime_kuri | 2013-06-01 20:33 | SF | Comments(0)


凄まじい過去を持つ佳人・白河美貴。彼女を姉のように慕う同類の少女・早坂純。美貴を愛した原田裕司は致命的な欠陥と破壊的な力を持つ彼女達を狙う暗黒組織にコルト・カヴァメントを握りしめ絶望的な戦いを挑む。と案内されているけど、実際は彼が使うのはリボルバーである。
1996年の作品。ハードボイルドでなおかつロマンスという作品で、アクションシーンの描写は光っている。特に夜の描写は作者独特の美学が感じられる。キャラクターも魅力的。
美貴と純、二人の美しく破壊的な恐ろしさと同時に脆さも感じられる吸血鬼を愛してしまった男を主人公にした作品で、当時、バンパイアストーリーにちょっとしたイノベーションを起こした作品である。面白さは保証する。
バンパイア物語は、色々な作家を魅了するテーマで、さまざまな作品が存在するが、その凡百のストーリーの中で、従来のものに対してイノベーションを起こすほどの作品は滅多にない。それだけに貴重で魅力的な作品である。
実は、今、吸血鬼もののストーリーを考えているのだが、過去の作品との重複やネタ被りを防ぐ意味で、今まで読んだ作品を読み返している最中で、いわば個人的に「吸血鬼まつり」開催中なのである(苦笑)。

貧血症気味の薔薇―アネミックローズ

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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編・栗林元

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by hajime_kuri | 2011-07-21 07:48 | SF | Comments(0)

時をかける少女


先ほどDVDでこのアニメを鑑賞し、まだ余韻に浸っている。
先般見た「パプリカ」といい、筒井作品のアニメは佳作続きだ。
原作者の筒井康隆は、この作品「時をかける少女」を、どんなに私が年老いても優しくやさしく慕ってくれる親孝行な娘のような作品だと言っていた。
今回のアニメは、原作の物語との直接の関係はない。主人公のおばが、原作の少女らしいと匂わされているだけだ。
今回の主人公の少女は、友人のために、何度も何度も時間をやり直す。
彼女とこの作品がいとおしいのは、その何度も過去へ戻る主人公の行動が、「あの時ああすればよかった」「なぜ、あのとき、一言好きだといえなかったんだろう」という、誰もが抱える思春期の想い出と重なるからだ。
タイムリープとは、あの時代、友人たちや将来に対して抱いていた、「ふらふらと右往左往する不安や希望や迷い」のメタファー(暗喩)に他ならない。
そんな普遍性が、年齢・性別・時代を超えて、多くの人たちから愛される原因だろう。この「時をかける少女」という作品そのものが、「時をかける」のである。
私は、少年時代にNHKのドラマシリーズ「タイムトラベラー」を見、青年時代に大林宣彦の「時をかける少女」を見た。そして、ちょうど主人公の少女と同じ年の娘を持つ親となって、再び、このアニメ作品に出会うことができた。
今は静かに、この作品と同じ時をかけることができた幸運を喜びたい。そして、筒井康隆と同じ時代にいることを読者の一人として喜びたい。

時をかける少女(アニメ) 通常版


時をかける少女(大林宣彦)

追記
言うまでもないことだけど、遠い「未来」に去ってしまう結ばれることのない恋人とは、初恋のメタファーである。遠い過去に去ってしまった、結ばれることのなかった恋人は、誰の心の中にもいるからだ。
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by hajime_kuri | 2007-09-29 14:26 | SF | Comments(4)

「怪奇大作戦」DVD



最近NHKでセカンドファイルも放映された「怪奇大作戦」である。毎回、SRI(科学捜査研究所)の面々が、科学の力で怪奇事件のトリックを解明する。小学生の頃、どきどきしながら見たものである。
DVDで見直して驚いたのが、その科学ネタの先進性だ。

More つづきを読む
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by hajime_kuri | 2007-07-31 12:54 | SF | Comments(0)
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孤独なテロリストの武器は、遺伝子操作で作られた恐るべきウイルスだった…。衝撃のベストセラー「ホット・ゾーン」のプレストンが放つ初めての小説。
謎の病気で亡くなった少女の検視に、アメリカ疾病対策センターの職員アリスが派遣される。病原の追跡を行ううち、それが人為的なものである可能性が浮かび上がる。FBIと協力して犯人と病気の正体を暴いていくスリリングな物語である。同時に、現代の生物兵器を取り巻く現状が浮かび上がるようになっている。イラクでの生物兵器査察のシーンなど迫力満点。おっそろしくリアルな話である。もちろん小説としても抜群に面白い。
今回の俺は、かなり絶賛モード。当然、買いです。
※全作のドキュメント「ホット・ゾーン」を読んでから読むと、基礎知識があって倍は面白い。
「コブラの眼」リチャード・プレストン 飛鳥新社

「ホット・ゾーン」
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編・栗林元

神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元

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by hajime_kuri | 2005-02-11 13:26 | SF | Comments(3)
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ドキュメンタリー「ロボット21世紀」の取材から生まれた小説である。ロボットが少しずつ社会に浸透していく今からほんの少し先の未来を描いた連作短編集。そして、その連作をつなぐのが、人間がいなくなった未来、旅をする少年のロボットが出会う静かで短いエピソード群。
すばらしい作品である。ロボットを扱った古今のSFの中では、個人的には五指に入ると思う。
人はなぜロボットを作るのか、ロボットの心とは、そして、命とは、そんな問いかけを通して、人間自身の心に次第にスポットが当たっていく。ロボットを語ることは、人間自身を振り返ることに他ならない。
印象的な言葉が出てくる。
ロボットと向き合うことで人は他人とのコミュニケーションが取れなくなる、という批判的な意見に対して、ロボットは人と人をつなぐインターフェイスでもあると考えるシーンだ。このロボットという言葉をインターネットとかパソコンって言葉に置き換えると、今まさに現代のことになるわけだ。
それぞれの作品は、過去のSF作品(特に鉄腕アトムと手塚治虫)に対するリスペクトに満ちている。特に感心したのは「亜希への扉」。これはまさにハインラインの傑作「夏への扉」(※)になぞらえられている。そして、同様のさわやかで心暖まる作品だ。

目次
ハル―たましいと身体
夏のロボット―来るべき邂逅
見護るものたち―絶望と希望
亜希への扉―こころの光陰
アトムの子―夢みる装置

昭和30年代に生まれた俺は、やっぱり「アトムの子」なのである。
あしたのロボット

※「夏への扉」は山下達郎のアルバム「RIDE ON TIME」に同名の曲がある。まさにこれはハインラインの「夏への扉」を歌っているのだ。読んだ後に聞くと涙が出そうになる(小説は悲しい話ではない。むしろハートウォーミングなハッピーエンド譚。だからその気持ちが反芻されて涙が出そうになる)。名曲である。また彼には、「アトムの子」という歌もある。こちらはアルバム「ARTISAN 」に入っている。当然、アトムと手塚治虫に捧げた歌である。
ライド・オン・タイム
ARTISAN

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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

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by hajime_kuri | 2005-02-05 12:03 | SF | Comments(0)