「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

カテゴリ:小説指南( 75 )

昨年から、読書通帳が話題だ。銀行のATMが入出金を通帳に記帳するように、図書館で借りた本の履歴を読書通帳に印字記帳するサービスである。
小学生の読書意欲を高めてくれるということで学校でも話題だし、いい大人のおいらもほしいと思った。
小説を書いているときに資料として読んだ本などをまとめておきたいのだが、ついつい後回しにしているうちに書名を忘れたりしてしまうのである。
ということで調べたら、読書通帳を記帳する機械が結構高額で、サービスしてる図書館はまだ全国でも少ないのである。
そこで、同様の読書管理をする方法がないかを調べたところ、あったのですよいい方法が。
それが今回ご案内するEverNoteに連携するアプリBookEverである。
このアプリをスマホに入れる。
スマホのカメラで本のバーコードを読み込むと、ネット上のデータベースから本のデータを取得して、それをEverNoteに取り込んでくれるのだ。
取り込んだ後のEverNoteが、こんな感じである。
a0003784_22485377.jpg


この
スマートさはどうよ。
ただ、メール転送を利用しているのでEverNoteは制限のないライト以上の有料タイプにしなければならない。しかし、読書家には欠かせないアプリだよ。
BookEver iTuneストア



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by hajime_kuri | 2016-04-24 22:54 | 小説指南 | Comments(0)

「語り口」の「緩急」

 小説に限らず「ストーリー」のあるコンテンツには、「緩急」が必要である。次が気になる、ページを手繰るのももどかしい、読者にそんな気持ちにさせるために昔から色々なことを教えられる。
 構造上のコツとして、「起承転結」「序破急」などと言われる。また、「誘って、じらして、満足させる」などとも言われる。
 「緩急」の「緩」は「起承転結」の「承」であり「序破急」の「序」であり「じらし」である。
 構造ではなく文章や語りの技法上のコツもある。

例文「緩」
 改札口は女性職員だった。戦地へ出征した男性職員の穴を埋めるため、全国的にバスも鉄道も女性職員が増えていた。昼食時間直後のせいか待合室は閑散としていた。国民服姿の男ともんぺ姿の婦人が数人、ベンチに座って列車を待っているだけだ。
 
例文「急」
 対する四人は、ばらばらっと、女の周囲を囲むように位置をとると攻撃に備えた構えをとった。右拳を脇に抱え左腕を前に立てた剛柔流空手を思わせる者、脇を閉め開いた手を顔胸前に構えて軽く前傾した構えをとった者は柔道系であろう。後の二人は拳闘の経験者だろうか、腰を落とした武術系の構えではなく、左拳を前にしてぴょんぴょんと軽くフットワークを使って位置を少しずつ動かしている。

 「緩」の方は、通常の情景や状況の描写である。文末、「だった」「いた」「いた」「だけだ」と言う具合に、過去形で淡々と語られる。
 一方「急」の例文では「とった」「であろう」「いる」とリズミカルな語感を演出するために過去形と現在形が使用され、一読してそのスピード感や緊迫感は明らかである。このような表現は、「ここぞ」というシーンで使う。逆に通常の地の文でこういう表現を多用していると、いざという時にコントラストがつかなくなるのである。
 こんなポイントにも注目して小説を読んでみると勉強になる。
※例文は私の現在執筆中の作品


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by hajime_kuri | 2016-04-10 17:29 | 小説指南 | Comments(0)

推敲のポイントとは

 小説や詩など、原稿を書くことを習ったりする場合、「もっと推敲してください」などと指摘されることがあるだろう。そもそも、推敲とはどの程度、そしてどのようにすればいいのだろうか?

 推敲とは、文章をより良いものにするために呻吟することである。ただ闇雲に考えるのではなくポイントがあることも確か。以下の四点だろうか。

・描写の過不足
 言葉足らずで、イメージが十分に伝わっていないことはないか。またストーリーに全く無関係で雰囲気作りにも役に立っていない無駄な描写はないか?本当に必要なモノか?

・叙述の順番
 その出来事は、そこで語るべきことか否か?もっと後段で語るべきことではないか?逆にそれは、もっと最初の方で提示しておくべきことではないか?また、その内容はそこで語らず、登場人物の行動の描写と併せて語るべきではないだろうか?

・単純ミス

 誤字脱字。重複する表現(大波が怒濤のように、馬から落馬した、とか)、故事成語の誤用。以前説明したことを気づかずに繰り返していたり、死んだ人間を再び登場させるなどの間違い。

・語り口
 文章の読みやすさ、読んだ際の気持ちよさ、を向上させる。

 特に最後の語り口は話芸としての小説に重要なポイントである。これは、自分の書いた文章を音読してみるといい。句読点の位置や、文章の長さなど、音読することで自分のもっとも納得する形を模索して欲しい。

 ぜひ納得するまで推敲する癖を付けて欲しい。


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by hajime_kuri | 2016-03-31 09:21 | 小説指南 | Comments(0)

教える力とは

 スポーツのコーチや、職業の技などを教えるのには巧い下手がある。また名選手必ずしも名コーチならずなどとも言われる。
 「教える力」とはいったい何なのか?

 スポーツや武道などで、無駄な「力み」をとるために昔から行われたのは、「千本突き」とか「千本ノック」などの「へとへとになるまで繰り返す」練習だった。否応なく力が入らない状態までもっていくわけである。正しい形を身につけるために回数をこなすのは決して間違いではないが、そのために当人達のモチベーションを下げては元も子もない。
 なぜ「力み」を取らなければならないか。どうやって「力み」を取るか、教える人間はそれを「言葉」で伝えるしかない。

 仕事でも同様だ。
 私は苦情電話処理を行っていたのだが、「それはお答えできない」ではなく「それはご案内していません」と言え、と教わる。理由ではなく「経験則」をコピーするように教わるのだが、それだけに忘れる者も多い。
 そのため「ご回答はいたしかねます」という返答をして相手を怒らせてしまう。どれほど慇懃な表現でも「いたしかねます」は「拒絶」である。むしろ、多少ぞんざいでも「それは、ご案内していないんですよ」の方がお客の反感が少ない。
 これなど教える段階において言葉で「できない、という拒絶の表現は相手の心に刺さるけど、していない、という状況説明表現は心に刺さらない」のだ、といえば一発でわかる。この言葉にしないで経験則をコピーするように教えるためになかなか覚えられないのである。

 「教える力」とは、「こつ」や「経験則」などを適切な言葉で伝えることができる、「言語化する力」に他ならない。


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by hajime_kuri | 2016-03-24 09:02 | 小説指南 | Comments(0)
 常々、小説は「話芸」であると言っているが、そう思ったきっかけは、苦情電話処理の仕事をするようになってからである。
 私は作家としての知名度はほぼ皆無。長年のブログの読者ぐらいしか買ってくれないので、小説だけの収入では当然生活できない。そこで三年前から、私はメーカーのコールセンターで苦情電話の初期受信業務に就いていたのである。この三年間がじつに小説修行にもなっている。今回は、そんな話である。
 苦情電話の初期対応はマニュアルがあるので迷う事はないし、どの相談員が出ても同じ回答になるのだが、不思議なことに相談員の巧い下手で、相手の反応には差がでるのである。

 例を挙げてみよう。

 商品の品質に関する問い合わせや苦情は、当然メーカーで受けねばならない。だが、販売会社で製品を売った際の接客やマナーなどの対応の苦情となるとこれはメーカーとしては関与のしようがない。最大限できることは「こういうご指摘があった」とお伝えする程度である。

 この応対だが、同じ内容を伝えながら正反対の結果になる事がある。

一、炎上パターン

 「先日、御社の製品を買ったのだが、そのときの販売店の対応に大変立腹した」
 「お客様、接客に関することですと、販売会社と私どもメーカーは別会社ですから、指示命令や指導もできずお話お伝えすることぐらいしかできません。それでもよければお聞かせください」
 「そんな対応しかできないのか、おまえじゃ話にならない上司に代われ、客にとっては●●販売もメーカーの●●も同じだろうが」

二、感謝されるパターン

 「先日、御社の製品を買ったのだが、そのときの販売店の対応に大変立腹した」
 「それはご不審の念を抱かせましたね。詳しくお聞かせください」
 「(詳しい内容)」
 「そうだったのですか、販売会社のこととはいえご不審な思いをさせました。お話伺って判りましたが、これは販売会社さんとお客様との間のお話で、私どもメーカーが立ち入れる問題ではありません。残念ながら関与ができません。
 ただ、せっかくお話お聞きしましたので、このご指摘、私どもからも●●販売株式会社にお伝えいたします。ただ、お伝えするだけで、指示命令や指導はできませんので、その点はご理解ください」
 「ええ?●●さんと●●販売さんって違う会社なの?」
 「そうなんです、もうしわけない。でもご指摘お伝えすることはできますから、させてください」
 「まあ、関係ないことなのにお手数かけてありがとう」

 どうだろうか。両パターンとも、伝えている内容は全く同じなのに反応は正反対である。詳細を見ていこう。

 炎上パターンでは「お伝えすることしかできません」と言っている。感謝される方は、「お伝えすることならできます」だ。この「できません」と「できます」の違いが全体のトーンを消極的で逃げ腰か積極的で前向きかのイメージの違いになっている。

 炎上パターンでは、客の話の詳細まで聞かずに「できません」。感謝パターンでは、じっくり聞き込んだ上で判断している。
 さらに、いきなり「伝えることしかできませんが、よければ話して」と、「関与はできません、ただ、お話聞いたので伝えさせてください」の違いだ。
 感謝パターンが、まず「できない」と地獄に突き落としてから「伝えさせて」と蜘蛛の糸を垂らすのに対して、炎上パターンは「伝えることしかできない」といきなり蜘蛛の糸を見せるのである。同じ「蜘蛛の糸」でもありがたみが正反対だ。

 また、販売会社とメーカーが別会社であるという事も、炎上パターンの方は、早々に冒頭で「説明」しているのに対し、感謝パターンは客が「気づく」ように誘導している。説明で理解することは人によっては論破されたことと同義である。気づきであれば人は反発せずに受け入れる。これもテクニックである。さらに「別会社」ということは責任回避というネガティブな印象を与えてしまう。

 これがクレーム電話対応も「話芸である」という所以である。叙述の順番で印象が変わる。これが小説などのストーリーづくりと大変似ているのである。
 相手にどんな印象を与えるかを考えながら組み立てるところも小説と同じだ。


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by hajime_kuri | 2016-03-15 20:57 | 小説指南 | Comments(0)
 自分で小説を書いたりマンガを描いたり映画を作ったりするようになると、作品に張られた伏線だけで、今後こうなるだろうなという予想がついてくる。また否応なくそんな鑑賞のしかたをするようになる。今回は、「スターウォーズ・フォースの覚醒」でそれをやってみよう。

 スターウォーズのエピソード4から6は、ルークとベイダー(アナキン)の父と子の確執がドラマ部分で描かれた。そしてエピソード1から3はそのアナキンが大切な人を守るがために暗黒面に落ちるまでが描かれる。
 今回の「フォースの覚醒」から始まるシリーズは、カイロ・レンとハン・ソロの父と子の確執があり、この暗黒面で迷うレンが光の面に回帰するまでが描かれるであろう。
 レンは父ハン・ソロを殺すことで、同じく父を殺したルークと同じ力を得ようとしたのかもしれない。二人は師弟対立(これはアナキンとオビワンの関係に相当する)を最終的に解消するんだろうなと思うが、「父殺し」という闇を心に抱えることに「哲学的フレーバー」をまぶすであろう。

 一方、ヒロインのレイはエピソード4のルークとレイアを一人で体現したキャラだ。女の子というのが同時代性である。一見、フィンがルークっぽく感じられるが実は第一作ではせいぜいC3POに相当する役だ。彼が黒人であるのもそのためか。
 このあたり、マイノリティーに配慮してアジア系の役者使うし、メインのキャラに黒人も使っていますよ、でも白人女性と黒人男性のヒーローとヒロインはまだ時期尚早かな、というハリウッドのスタイルだ。この予想を裏切って来るならすごいと思うが。

 では、レイと結ばれる王子様が誰かというと、それは間違いなくカイロ・レンなのだ。最初の出会いのシーンでマスクをとって美貌をさらしている。この講師ブログでも語ったが、「美しい容貌と残虐な心」という「二律背反」は、悪役キャラ造形のまさに教科書どおりだ。レンとレイの、敵愾心と憎悪の関係が、恋に変わっていくところが「ドラマなのだよ」って脚本家の、「どんなもんだい」的な声が聞こえてきそう。

 またレンは光の側に帰ってくるのだが、母レイアは反乱軍の将軍だ。将軍という立場ではレンを許せば部下の不満は目に見えている。揺れるレイアのドラマがあり、それを知っているレンは最後の悪との戦いで命を捨てるって展開もあり。だが、ラストシーンで、フォースの目覚めたレイは、スピリチュアルな世界でレンやソロやルーク(当然ルークはシリーズの途中で死ぬと思う。三部作になるならエピソード8の終わりか、エピソード9の冒頭でしょう)達の魂が生きていることを知り悲しみから立ち直る、ってところでエンドかな。
 フィンは当初名前すらなく、子供の頃にさらわれて兵士として教育されたストームトルーパーという設定。まさに、子供の頃から敵への憎しみと殺人術を教育されたテロリストの少年兵を思わせる。フィンの役割は、この「少年兵」の人間性回復ドラマなのではないかとも思える。現在の国際社会で問題となっている「少年兵問題」、これもまた作品の同時代性であろう。

 いやあ、おもしろかった。ってすっかりシリーズ見てしまった感じだが、制作者達が、どれだけ私の予想を裏切ってくれるか楽しみです。
 この文では言及しなかったけど、レイがスカヴェンジャーを続けながら、指折り数えて待ち続けた誰かか何かにも何か伏線があるんだろうけど、これはエピソード8でわかってくるんだろうなあ。


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by hajime_kuri | 2016-03-04 16:03 | 小説指南 | Comments(0)

電子出版について

 小説を書き上げると、どうしても人に読んで欲しいものである。特にエンタメ系の作家であれば、読者の「面白かった」「次はどうなるんですか」という賞賛や期待の言葉が欲しい。お金よりももっと、読者の反応が欲しいのだ。
 私は三十二歳の時にコンテストに佳作入選したが、出版社のコンテストでなくテレビ局の賞だったので作品が活字化されることはなかった。大賞受賞者の方の作品も「映像化」されただけである。
 そのころに始まったのがインターネットの商業利用解禁だった(95年ごろ)。
 作品の発表の場を求めていた私にはこれは渡りに船だった。早速HTMLを覚えて、テキストエディターでソースを打ち込んで「デジタル文芸」というWEBサイトを立ち上げた(97年正月)。
 当時は、小説に限らず、評論やマンガなど腕に覚えのあるサブカル系の人間がインターネットに活躍の場を求めて集まったので、読み応えのあるコンテンツが多かった。当時知り合った書き手の人たちとは、今でもSNSを通しておつきあいがある。私のサイトや作品も雑誌などで紹介していただいた。

 現在は、Amazonのキンドルなどで無料で電子書籍をリリースできるようになった。私の過去作品もアップしてちょくちょくダウンロードされている。今はワードや一太郎で作り上げた作品を電子書籍のファイル(EPUBやmobi)に変換できるようになった。私自身は、テキスト原稿をSigil(シジル)という無料ツールでE-Pub形式に整形し、Kindleのジェネレータソフトでmobiファイルに変換している。このような面倒な方法をあえてとっているのは確実に縦書きに対応させたいので、CSS(カスケーディングスタイルシート)のソースを編集するためである。

 最近はWEBを舞台にした文芸コンテストも数多くある。ぜひ電子書籍のリリースに挑戦してもらいたい。ただ、今のところ、電子書籍が玉石混淆であることは否定できない。読者に対して自分の作品のクォリティーを担保するためにも何らかのコンテストでの入選実績は欲しいものである。

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by hajime_kuri | 2016-02-22 07:48 | 小説指南 | Comments(0)

伏線を張るということ

 小説に限らず物語を語る場合、ストーリーには何らかの伏線を張るものである。
 伏線とは、ストーリーの前半に提示した事や物や状況が、物語の後半やクライマックスで意味を持っていた事がわかり結末に影響するというものである。

 例えばこんな感じ。

 いつも腕時計にアラームを設定している主人公が、よくそのアラームを忘れて失敗してしまうエピソード。会社に遅刻して上司にこっぴどく怒られるのだが、原因は彼がなかなか腕時計の設定方法を覚えられないこと。そこで、恋人が腕時計を設定してくれて、「リセットできないようにしておいたね」と言う。
 物語のクライマックスで、殺人鬼から身を隠すシーン。読者には腕時計のアラームが鳴る時間がわかっていて、そのアラームが鳴ってしまうと殺人鬼に見つかるけど大丈夫かよ?っというサスペンスで引っ張る。
 アラームの音がして、そこに隠れているのかと、ほくそ笑む殺人鬼がクローゼットを開けると、そこにははずした腕時計があり、その隙に主人公は逃げる。

 このように最初から回収の方法を決めて張る伏線とは別に、特に意識せずに描写した状況や人や物が、物語の進行にあわせて意味を持ち「結果としてラストで伏線として回収」される事も多い。
 書きながら、ああ、この人物はこのために俺の脳裏に浮かんできたんだと気づく事も多い。むしろ、作品を書きながらこのような反応が起きる場合の方が面白い作品になる。
 この化学反応は、物語を「説明」ではなく「描写」で語ってくる方が起きやすいようだ。
 作家は、机やパソコンやノートに向かっている時以外も、日常のいつでも脳のどこかで作品について考え続けている。それが意識上に浮かんでくる瞬間が、いわゆる「降りてくる」とか「ゾーンに入る」瞬間なのだと思う。


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by hajime_kuri | 2016-02-15 09:09 | 小説指南 | Comments(0)
 あけましておめでとうございます。

 さて、本講座も、めでたく二回目の正月を迎えることができた。今回は、開講以来、生徒のみなさんと接していて、逆に私が学んだことについて書いてみたい。

 まず、「文章を書く」ということが「小説を書く」に発展することは、「語り方」の問題だと気づかされた。「話すこと」が「物語を語る」ことに発展することなのである。小説とは、文章表現による「話芸」だということだ。話芸としての小説表現に意識を向けることができたのである。

 次に、実際に小説を書いている際に「筆が止まる」ことがあるが、その仕組みがよく分かった。
 筆が止まる場合の理由の一つは、人物や背景の「設定」が甘いことが多い。書いているときに迷って筆が止まるのだ。この対策は、書き出す前に「よく考える」である。
 もう一つの理由は、情景や状況のイメージ力の弱さだ。キャラの気持ちなどを想像する力不足もある。この対策は、舞台背景となる場所や状況を「よく調べる」である。体験してみる、行ってみるということもある。また、登場人物の心や気持ちを知るためには、人と交流してその心の動きなどに敏感にならねばならない。

 最後に、小説を書き始めた頃の自分の気持ちを追体験できた。これは実際に小説を書こうとした人にしかわからない気持ちで、「書き急ぎ、書き焦り」とでも言えようか。
 物語には緩急があり、急の前には必ず緩やかなシーンが必要になる。物語は「誘い、じらし、満足させる」の繰り返しで進んでいく。この「じらし」の段階で書いている作者もじれてしまうわけである。速くクライマックスの盛り上がるシーンを書きたい語りたいのだ。
 このシーンで読者は退屈してしまわないか、といった不安を感じたりもする。

 このようなことを、生徒さんとの対話の中で再発見してきた。この「小説指南」を始めて本当によかったと感じている。
 今年も、色々な方と知り合いになりたいと思っている。どうかよろしく。


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by hajime_kuri | 2016-01-01 23:42 | 小説指南 | Comments(0)

「小説指南」発売開始!

私の5冊目の電子書籍「小説指南 こんなに小説が好きなのに、どうして書けないんだろう俺って人のための45講」がリリースされました。
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by hajime_kuri | 2015-12-02 22:56 | 小説指南 | Comments(0)