「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

カテゴリ:青春( 9 )

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性同一性障害の妹にハラハラする兄貴のお話。
軽妙な語りでライトノベル風なスタイルだけど、恋をするだけでも大変な彼女と彼らの気持ちが見事に描かれている。
でも、自分より魅力的な相手が現れたら、彼女は私から離れていってしまわないか?って不安感は、誰にでも共通の気持ちだよ。
モテね少年だった俺の気持ちの延長線上にLGBT(性同一性障害)の人らの気持ちもあるのだろう。そしてそれは、ずっと大変だろうけど、この兄貴の気持ちを読んでみんな理解できることだよなと思えた。
この兄貴の優しさは不器用だけど何気にかっこいいぜ。
ラノベ風のラブコメディだけどこれは立派に文学してる。「すばる」とかに載ってても不思議じゃない作品だった。

薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
小説指南・栗林元
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by hajime_kuri | 2017-08-15 19:04 | 青春 | Comments(0)

KUHANA !

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三重県桑名市を舞台にした小説だ。
「青春」小説だろうな。今年度いっぱいで廃校になる小学校。リストラでそれぞれ離散する子供たち。そんな状況を舞台にしてはいるが、親も兄弟もなんだか元気だ。Jazzで身を持ち崩して代用教員にやってきたボンクラ先生とその息子。出戻りの校長の娘、など、それぞれ心に業を背負った連中が、Jazzに打ち込む子供たちに背中を押されて、もう一度立ち上がっていく。
そこが青春なのだ。
現在制作中の原作小説となっている。
小説としてはまだまだ語り足りない気がするが、これはむしろ、「ここから先は映画を見てくれよ」ってメッセージか。
公開が楽しみなストーリーだ。

KUHANA !

映画の公式サイトはこちら。
KUHANA !

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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編

神様の立候補/ヒーローで行こう!

盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編

薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏
小説指南
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by hajime_kuri | 2016-04-26 22:30 | 青春 | Comments(0)

七帝柔道記

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「七帝柔道」という寝技中心の柔道に憧れ、二浪の末、北海道大学に入学した。しかし、柔道部はかつて誇った栄光から遠ざかり、大会でも最下位を続けるどん底の状態だった。他の一般学生が恋に趣味に大学生活を満喫するなか、ひたすら寝技だけをこなす毎日。偏差値だけで生きてきた頭でっかちの少年たちが、プライドをずたずたに破壊され、「強さ」という新たな世界で己の限界に挑んでいく。悩み、苦しみ、悲しみ、泣き、そして笑う。唯一の支えは、共に闘う仲間たちだった。地獄のような極限の練習に耐えながら、少年たちは少しずつ青年へと成長していく―。(Amazonより)

作者の増田氏は俺と同じ愛知県立旭丘高校の出身で親近感があるのだが、井上靖の「北の海」を読んで大学で柔道をやるってところが、またしても俺と同じじゃないですか。
俺は、柔道ではなく少林寺拳法だったのだが、恋や遊びに背を向けて、なんで武道に向かうのですか。武道に向かったのだろうか。そんな問いに答えてくれる作品だ。
この作品読みながら、「そうなんだ、そうなんだ」とつぶやいて、何度も何度も涙ぐんだ。
昭和50年代の大学体育会で武道をやってた人たちはぜひ読んでいただきたい。
七帝柔道記

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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)
不死の宴 第一部 終戦編
人生はボンクラ映画・西森元
1988 獣の歌/他1編・栗林元
神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元
盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元

薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
小説指南・栗林元
↑ この「自転車の夏」って作品が俺の「七帝~」なんだよな。
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by hajime_kuri | 2015-08-29 17:53 | 青春 | Comments(0)

配送の仕事待ちに読了した。
三流大学の応援団が存続の危機に瀕している。4月に新団員が入らなければ、団は消滅する。
OB会長の企業経営者がとった奇策は、自分の会社に勤務する45歳の平課長を社会人入学させて団の再生を託すことだった。
社命で応援団長にされた親父社員の抱腹絶倒の体験。
もともと大学の体育会武団連合の一員であった俺には、「わかるわかる」という部分が多くて楽しかった。
理不尽極まりない慣習やしきたり、その先にある感動。
ショッピングモールのベンチで待機中に読んだけど、笑いをこらえたり、涙をこらえたり大変だった。
世代間のギャップを乗り越えて、団員たちと深まる絆に、うん、うん、そうなんだよな、とうなずきながら引き込まれた。
これから重松清の作品を少し読もうと思ったよ。
あすなろ三三七拍子

あすなろ三三七拍子(上) (講談社文庫)

あすなろ三三七拍子(下) (講談社文庫)


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作者は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編

神様の立候補/ヒーローで行こう!
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by hajime_kuri | 2013-04-06 19:35 | 青春 | Comments(1)
a0003784_17421968.jpg四方八方田んばだらけの茨城県下妻。そんな田舎で浮きまくりのバリバリロリータ少女・桃子は、大好きなお洋服欲しさに始めた個人販売で、これまた時代遅れなバリバリヤンキー少女・イチコと出会う。見た目も趣味も全く違うこの二人。わかり合えるはずはないのに、やがて不思議な友情が芽生えて…、というのがアマゾンでの紹介だが。
ギャグ満載、というかこれは”のばら”の語り口の勝利でせうな(←すぐ影響)。
桃子とイチコの造形がすばらしい。
くすくすと笑いながら、勢いよく読ませるが、すばらしい青春物語にもなっている。
暴走族のイチコは「人間は結局一人、だから仲間と群れないんだ」、という自立を獲得するし、逆に友情とかに「勘弁してよ」と思っていた桃子のほうは、最後にイチコに対しての友情を(恥ずかしくて大きな声では言えないが)自覚するのである。
私はロココだからと、何事にも熱くならない桃子が、イチコの危機を助けようと奮闘するラストは、思わず引き込まれてしまう。
これだけ面白ければ、映画になるわけだよね。
娘と二人でファンになったよ。

下妻物語―ヤンキーちゃんと...小学館文庫
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

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by hajime_kuri | 2004-09-22 17:40 | 青春 | Comments(1)
a0003784_222644.jpg女同士の熾烈な闘い・女子プロレス界における、中日混血児汪紅華の新人からプロ引退までを描く青春小説である。主人公と同期に女子プロレスに入ったキャラクターたちの造型がすばらしい。リアルである。けっして絵空事でない重みがあり、俺は一気に読み終えた覚えがある。
ちなみにこの葉青さん、現在日本に暮らす中国人女流作家で、まるでモデルみたいな美人でもある。
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by hajime_kuri | 2004-06-17 22:27 | 青春 | Comments(0)
a0003784_225620.jpg みなさんは東亜同文書院という日本の大学を知っているだろうか。
 1901年(明治34年)東亜同文会(会長近衞篤麿貴族院議長)によって中国の上海に創立された。日中提携の人材養成を目的とし、戦前海外に設けられた日本の高等教育機関としては、最も古い歴史を持つ。中国・アジア重視の国際人を養成し、ここから日中関係に貢献する多くの人材が育った。
 特に学生達が授業の一環として行った「調査大旅行」は中国各地を調査する学術旅行で、この大学の大きな特徴として伝えられている。
 が、悲しいかな建学の理想とは裏腹に、大戦中はこの旅行すら軍の調査に利用され、学生達も通訳として兵役に赴いたのである。
 この物語の主人公は、日本人ではあるが、沖縄出身(作者の分身である)であり、支配側の日本と支配される側の中国との間に位置する。
 日中両国の学生たちのとまどいやいらだちやあせりを通して、この悲しい運命の大学とその果たした役割を描いている。
 実は、私の母校の愛知大学は、終戦でこの同文書院が閉鎖された時の学生と教授達によって、豊橋に建学された、いわば同文書院の残党のような立場である。そんなこともあってこの本を手にしたのであった。
 戦争と日本による中国支配に利用された国策大学という汚名を着せられていた同文書院の真の姿を伝えたい、そんな作者の声が聞こえるようだ。青春小説としても優れている。

※愛知大学の現代中国学部では、3年次の3週間、学生自身が中国を訪れ、中国社会の実情を多面的に調査。その結果を、中国主要大学の学生との日中学生シンポジウムで発表、ディスカッションしている。これは同文書院の「調査大旅行」に相当するのだ。
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東亜同文書院大学記念センター

愛知大学

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by hajime_kuri | 2004-03-10 22:57 | 青春 | Comments(0)
a0003784_233011.jpg 恋愛もの、とか初恋ものといわれる小説には、極めて冷笑的な態度を取るひねくれ者の私が、さめざめと涙してしまった小説である。17歳の明史(あけし)と、通学路で出会った髪の長い美少女15歳の棗(なつめ)の1年間の出会いと別れを描いている。舞台は戦後すぐ、でもそんなことは関係ない、この物語には誰もが通過した「ささやかな初恋」と通じる普遍性があるからだ。
 中学生の棗は春から明史の高校に通うことになっている。

 「お友達になってくれる?」
 「お友達?」
 「さよならはできないもの…私たち」
 「毎日会って、同じ学校に通って、お互いに好きで、そして丘には行けないで…お友達?」
 「地獄だよ、そんなの」
 「なれると思う…」
 「……」

 ここで俺は泣いてしまった。

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by hajime_kuri | 2004-02-25 23:31 | 青春 | Comments(13)

井上靖の自伝的三部作



 個人的にはビルドゥングスロマン(教養小説・成長物語)の最高峰だと思っている。
 主人公洪作の湯が島での幼少期が「しろばんば」、沼津での中学時代が「夏草冬濤」、そして柔道に夢中の高校受験浪人中が「北の海」である。





 「しろばんば」は教科書にも載っていたりしておなじみだろうが、高校生の時、なんで「しろばんば」なんだよ、と思ったものだ。中学生や高校生なら絶対に「夏草冬濤」や「北の海」の方が面白いし興味を抱くはずだからだ。






 大事件が起こるわけでもなく、淡々と物語は進行するが、洪作を取り巻く友人達の生き生きとした姿が実に魅力だ。あの頃の学生達って本当にいい。その仲間達の中で、読者はもう一度、青春を体験するのだ。
 私は、この作品群に魅了されて武道がやりたくなり、大学で少林寺拳法部へ入ったぐらい。で、酒飲んで寮歌を歌うようなアナクロな青春を送ってしまったわけだ(笑・1977年だからね)
 作者・井上靖(当然、洪作のモデル)が練習した、第四高等学校(現金沢大学)の武術道場「無声堂」が、愛知県犬山市の明治村に移築保存されている。


 自宅の近くなので、私は時々、そこで旧制高校の青春に思いを馳せてみるのである。

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しろばんば新潮文庫
夏草冬涛 (下)新潮文庫
北の海〈上〉新潮文庫
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by hajime_kuri | 2004-02-24 23:41 | 青春 | Comments(2)