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「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

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俺の闘病記 12 酒

血糖値を無事コントロールしているとはいえ、俺は完全な糖尿病である。
しかも酒が好き(涙)
食事療法に取り組み始めたときには、ほとんど酒を断っていた。
とはいえ、こんなに暑い日が続くと、ビールとか飲みたくなる。
で、俺は焼酎に目をつけた。
実は焼酎(特に甲類)のような蒸留酒は蒸留の過程で、ビールや日本酒に多く含まれる糖質・脂質が飛んでしまうのだ(まさに0)。
とはいえ熱量は0ではない。しかし、焼酎の熱量はまさにアルコールであり、それは糖から脂肪として蓄積されるのではなく、体温が上がる、とか心拍数が上がるという方向で、「即消費」されていくものだという。
糖尿病患者の俺としては、焼酎飲むしかないでしょう。
ただし、甘ったるいものを入れてはダメ。ということで、俺の場合は、レモン果汁のみ、とか梅干入りのお湯割りとかで楽しんでいる。
いや、焼酎いいですよ。

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1988 獣の歌/他1編・栗林元

神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元

盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元

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by hajime_kuri | 2004-07-27 17:00 | 糖尿病 | Comments(0)
a0003784_1730132.jpg

今度は心のリセットだ、ということで、日帰りツーリングを決行した。
国道41号線を北上して、東白川~加子母~付知~坂下~馬込~阿木川ダム~土岐~多治見と回る周回コース。250kmぐらいかな。
昼食は、東白川で朴葉ずし。
土岐・多治見間は県道66号線。写真のようなコースが延々と続く、まさに二輪のための道である。
いやあ気分転換になった。

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by hajime_kuri | 2004-07-24 17:32 | 糖尿病 | Comments(0)

俺の闘病記 11 リセット

ここ二ヶ月ほど、いい年して多忙だった。
休日出勤手当てでお小遣いが一向に減らない、もう最後の方は、
「金はいいから休ませてくれ」状態で、当然、日々の運動もかろうじて3日に一度やれるかどうかというところ。
ようやくその波が去ったので、一つここらで体をリセットしようと、一ヶ月前分の代休(ようやく一つ消化)をショートサイクリングに当てた。
距離数は、およそ20km程度。自宅から木曽川へ出て、川沿いに走ってから自宅へ戻るというおよそ三角形のコースである。
8時半にスタートして、途中ティーブレイクをはさんで12時帰宅。
久しぶりに「外」でいい汗かけました。
このコースは、木曽川に出るまでの犬山市に、古い橋がいくつも残っていて、いい雰囲気である。
写真はそんな橋の一つ。a0003784_17171491.jpg

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by hajime_kuri | 2004-07-24 17:18 | 糖尿病 | Comments(0)
a0003784_232910.jpg1776年に発刊され、たちまち稀代の名著と評されたギボンの不朽の傑作『ローマ帝国衰亡史』。
本書は、帝国の絶頂期から滅亡へといたる『ローマ帝国衰亡史』の骨子と、そこには描かれていないがローマ帝国史を語るには避けられない建国期から帝政の黎明期へといたる発展途上の時代の動きを、あわせて30ポイントにまとめて解説。

目次

[1]最初のローマ帝国はどれほど大きかったのか
[2]地中海の覇者カルタゴとの戦争はどうしておきたのか
[3]ローマは天才戦略家ハンニバルと、どう戦ったのか
[4]どうしてアフリカを手中にできたのか
[5]なぜ周辺民族や奴隷の反乱が多かったのか
[6]カエサルはどのようにガリア征服を成功させたか
[7]クレオパトラは、なぜカエサルを選んだのか
[8]カエサルは、なぜ暗殺されたのか ほか

ギボンの書かなかった、共和制ローマの建国からポエニ戦争までもカバーされているので助かる。
帝政ローマといっても、皇帝は民衆の人気に支えられ、いわば役職・機関であるということがわかる。アジアの皇帝とは一味違うのだ。だから解放奴隷の息子から皇帝になるものもいるし。
またローマが東西に分かれた後、東ローマ(ビザンチン)帝国の公用語がラテン語からギリシア語に変わる、という一言で、東ローマ帝国はもうイタリアではないということが分かる。高校の教科書もこういう勘所をつかんだ記述なら面白いのになあ。
実に面白い。解説本といっても馬鹿にできないなあ。

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1988 獣の歌/他1編・栗林元

神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元

盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元

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by hajime_kuri | 2004-07-19 23:30 | 社会科学 | Comments(0)

「のど自慢 」

a0003784_17331.jpg室井滋、ハウンドドッグの大友康平、竹中直人など個性派俳優出演のコメディ映画。国民的番組「のど自慢」の晴れ舞台に立つまでのたった3日間を井筒監督が描く。
売れない演歌歌手・赤城麗子の造型が秀逸。
さえない営業の日々に倦みつかれているのだが、最後はやはり歌によって救済されるのだ。
「歌・歌うこと」を通して、さまざまな人々の人生の瞬間を、三日間に集約して描いた傑作コメディーである。
俺は、昔からその時々に「今の俺のテーマソングは※※だ」という曲がある。そして、実は多くの人にそれがあるんだよ、という映画である。
多くの人が、人生の切実なものを歌に託している。
ラストのタイトルロールで、登場人物たち全員が歌う「上を向いて歩こう」が流れたとき、ちょっぴり涙腺が緩むかも。何度も何度も見直せる、いい映画です。
登場人物に一人も悪いやつがいない。誰も死なない。誰もがハッピーエンド。いまどきこんな気持ちのいい、しかもエンターテイメントの枠を踏み外さずに楽しませてくれる映画を撮るのは井筒和幸ぐらいしかいないだろうな。
井筒監督はピンク映画「いけいけマイトガイ性春の悶々」(1975)の頃から光ってたもんなあ。
ちなみに、今までの俺のテーマソングの中で一番暗いのは、うつ病の頃の「天国への階段」かな。

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by hajime_kuri | 2004-07-17 17:33 | 映画 | Comments(2)
ある企業よりWEBリニューアルの提案依頼があったとしておこう。
そこの担当はWEBには素人である。弊社の営業担当もWEBには素人である。
ヒアリングの回数は、わずか二回。
サイトのフロー概略と概算予算を提出した。またリニューアルの目的定義や指標も立てることができだが、それでもヒアリングはわずか二回である。
その段階で、営業担当から、企画書とデザインを出せという依頼が来た。
あと数回ヒアリングがしたいが、という要望に対して「時間が無い」とのこと。
出した画面提案に対しても、「色、写真素材、文字、レイアウト」など、彼らが通常携わっている「折り込み広告」などに対するのと同様の細かい修正要求が出てきた。
WEBの本質とはまったく違うところにこだわられて閉口する。その点を指摘しても、「これでは上に通らない」(当然上というのもどしろうとだ)。
で、やむなく企画書を作り上げた。
その段階で、系列会社のWEB担当が来社して、企画を見てやるということになった。彼らは客先ではないから、まっとうなことをビシバシと指摘する。
「僕はFlashが嫌いでね」←俺がいつも言ってることじゃないかよ。
「こういう部分をもっと掘り下げて提案してほしいな」←ヒアリングたった二回だぞ。
すべてそのとおり。こっちもそうしたいよ。
挙句の果てに「この段階の打ち合わせでは、この程度しか作れないよね」

結論から言おう。
「おたくのレベルが低すぎるからお断りする」ということだ。
お前らに合わせてレベルが低くなっていったんだぞ。
とはいえ、先方は絶対それは認めないだろうな。俺のせいにして、新しい業者と組んだ方が、「面目が保てる」からだ。

俺の唯一の過ちは、営業と客先に対して「妥協」したことだろう。
以前はよく、営業サイドに立って考えてくれ、といわれたが、その挙句がこれである。
悔しくて仕方ない。
愚痴ってしまった。

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by hajime_kuri | 2004-07-12 19:38 | WEB | Comments(0)
「うつ」になると自分を客観的に見ることができなくなる。
著しく自分を過小に評価して、自分の能力そのものを信じられなくなる。
そして、以前は即断即決できたことにすら決めるまでに1週間もかかるようになる。
何か失敗をしたことなどが、きっかけで、自分を責めて責めて「うつ」になる、少なくとも俺はそうだった。
俺が「うつ」になるきっかけは、WEBに関する仕事上の失敗である。
営業担当から、ぜひこのデザイナーを使いたい、という要望があり、デザインをしてもらった。でも「WEBのデザインはしたことがないので自信がない」というので、WEB制作会社とコラボってもらった。俺がもっと深く関与していればよかったのだが、社内システム系の仕事を手伝っていて、とても手伝えなかったという事情がここに絡んでくる。
不幸にして、客先の担当は「ビルダ」程度は使えて、デザイナーよりはネットに詳しかった。ということで、ネットに疎いデザイナーは、その担当に抗弁できずに、不本意ながら、とんでもないものを作らされてしまった。
WEB制作会社は、あきれながらも制作したが、最後の最後に相手の社長から、こんなのだめだとダメを出された。相手の担当は、すべてを当社のせいにしてだんまり。というところ。結局、その仕事はとれず、制作会社への支払いだけが残るという結果になった。
そして、罪はすべて俺が一人でかぶったのである。
これをきっかけにして、失敗が恐ろしくなった。萎縮する。「うつ」になる。

思うのだが、「うつ」になるやつって、けっこういいやつなんじゃない。

自分に厳しい、人を責めない、我慢する。
これって、武士道じゃん。

現在、「うつ」と戦っている人に言いたい。
あなたは、そこらのやつよりよっぽどいいやつだ。生きるべき人だと。
だから、「自分を責めるな」「自分を許せ」と。

「うつ」から立ち直って思うこと。
「俺って弱いやつだから」と素直に思う。
そして、「俺も人間だから、完璧ではない」と許すこと。
でもそれだけだと片手落ちだから、他人に対しても、「しょうがねえなあ」と思いながら、「人間だから、間違いもある、得手不得手、向き不向きもある」と許すようにしている。
そういう意味では、昔の俺ではなくなっている。
「うつ」を経て、少し大人になったかな、とも思う。

失敗を軽く考えるわけではない。十分反省はする。
でもそれを引きずらないことです。
失敗を恐れて何もしないより、失敗して何かを学んだほうがずっといいのだ。
それは情緒的にはつらいことけどさ。
何よりプライドずたずたになるし。

でも仕事の上での失敗なんて、別に命に関わるものでもないし、命で責任を取るほどのことでもない。せいぜい金で解決がつくことだ。
自分の命や、幸せ以上に大切なものなど、この世の中にはない。
断言する。
自分の命で償わなければならないものなど、世の中にはまず無い。

※ところで、人事考課関係で、最近流行の自己評価システムってのは「うつ」病の患者には酷なシステムだよな。そういうシステムにするなら、同時に社内にセラピストや心の相談室ぐらい置けよ、というところだ。

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by hajime_kuri | 2004-07-10 00:32 | 糖尿病 | Comments(0)
a0003784_225128.jpgウォーキングが減量に効果的なのは間違いない。
特に苦しい運動でもない。
ではなぜ、ウォーキングってめんどうなんだろう、と考えると、ゴールも目的もなく40分とか歩くということに慣れていないからだと気づく。
俺の場合は、夕食後に歩いているのだが、健康のため歩いている、と思うと深刻すぎて大変だ。
で、考えた。買い物に行くと。
実は家の近所には、徒歩40分圏内に5件のコンビニがある。で、日替わりで、そこへ行き、マンガを立ち読みして帰ってくるのである。

月曜日は、ローソンでヤングマガジンの「アゴゲン」。
火曜日は、サークルKで週間アスキーの「カオス」。
水曜日は、サンクスでヤングサンデーの「日本一の男の魂」。
木曜日は、ファミリーマートでモーニングの「カバチ」。
金曜日は、ヤングジャンプの「ガンツ」、という具合。

ただし、一応の礼儀として、ちゃんと、タバコは買ってます。
あと、週末に長距離を歩くときは、わざわざ大須商店街(実は俺は愛知県民)まで行って、オタクウインドショッピングをしている。歩くのが楽しい場所へ行っちまうのだ。
これには時々、中一の息子もついてくる。
で、一緒にエアガンとか買っている(爆)
今のところ、一番楽しい散歩は、この息子と行く大須だな。
ここで売っている大判焼きがまたうまいんだ。
※写真は大須の一角。人物は通りすがりの人である。

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by hajime_kuri | 2004-07-07 22:52 | 糖尿病 | Comments(3)

CASSHERN(キャシャーン)

a0003784_10431271.jpg見ました。
よかったよ。映画というより映像詩だ。でも満足している。
CG使いすぎとか、アクションが少ないとかの文句をつける人たちもいるようだが、特撮オタクでない方なら満足できると思う。※これは特オタの人を馬鹿にしているわけではないので誤解のないよう。かくいう私も特オタの一人ですから(笑)
「これは反戦だ」と、諸手をあげて賛美する方たちも多いですが、それもちょっと違うような気がする。
むしろこの映像の背後に横たわるのは、「和をもって尊し」とする、仏教的な、すごく東アジア的な思想であろう。
生きていくことによって、必ず何かや誰かを傷つける、それが人間の業である。だから、正邪を「裁く」前に、まずお互いを、「許しあう」ところから考えていかないか、ということ。
2004年の現在では、単純な善悪の戦いだと、本当にオトギ話になってしまう。憎しみが憎しみを生む、そんな戦争は中東の歴史を見ればうんざりするほどあるではないか。憎しみの連鎖を絶つ、ということの難しさ。
だが、いくら理想を唱えても、強大な力を背景にして、自分の利益のために、他者を踏みにじるような行為が一向になくならないのもまた事実。それこそが人間の業なのである。
この映画の一番のメッセージは、その業のもつ悲しさを俺たちの前に提示することなのかもしれない。
だからこそ、娯楽映画としてのカタルシスを求めた観客からはブーイングを受けるわけである。
原作アニメとはまったくの別物と考えて評価しよう。ただし、原作の中に潜在していた各種の要素(父と子の確執、とか)は非常に大切に残されている。
当時アニメを見ていた子供たちも、こんなに考える大人になったのである。アニメにとっても原作冥利に尽きるのではないだろうか。
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by hajime_kuri | 2004-07-04 23:19 | 映画 | Comments(9)
a0003784_91439.jpg「幻象機械」(山田 正紀)
日本人に特異的な右脳と左脳の機能差がある。言語脳(左脳)、非言語脳(右脳)の機能分担が、西欧人ほど厳密ではないのだ。例えばコウロギの鳴き声を左脳で聞く。そして秋の情感を感じる。一方、西欧人はこれを右脳で聞き、単なるノイズとして処理する。
日本文化のワビサビなどは、日本人の脳機能の特殊さが生み出したものなのだ。
その研究から、無中枢コンピュータを構想する大学助手谷口が父の遺品に石川啄木の未発表小説を発見したとき、我々日本人の脳に刻印されていた禁忌の謎が次第に明らかに…。日本人の"正体"に気づいてしまった啄木の、そして彼の運命は。
山田正紀的なアプローチの作品である。啄木の未発表小説と谷口の物語が交互に繰り返される。虚構内虚構を楽しむ構成で、これは当時活字や映画や演劇などで大いに流行った手法である。この物語では幻象機械は「イリュージョンプロジェクター」と呼ばれている。
幻象機械中公文庫←アマゾンへGo!

「幻詩狩り」(川又 千秋) 中公文庫
1984、日本SF大賞を受賞した作品である。
1948年、パリ。シュルレアリスムの旗手、アンドレ・ブルトンは、一人の詩人を待っていた。フー・メイという名の詩人は、かつてその作品でブルトンに衝撃を与えた。彼は、言葉によってブルトンの眼前に「異界」を現出させ、また「鏡」を作り上げて見せたのだ。フー・メイ最後の作品「時の黄金」は、シュルレアリストたちの間に静かに広がっていき、彼らを次々と破局へ導く。時をへて日本の出版社が「時の黄金」を再発見する。そして・・・。
言語SFの傑作である。当初は、より正確に事実を伝えるための手段であった原始の「言葉」が、やがて世界を記述するのではなく世界を作り上げ変貌させていくのである。個人的には「SFってここまでやれるのか」と感銘した作品である。
「言葉」により、人間は、数や名前から、より複雑で抽象的な概念や情緒を考え伝えることができるようになった。私見ではあるが、人類最古の発明品である「言語」は、色も形も質量もないが、ある意味「幻象機械」なのではないだろうか。
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by hajime_kuri | 2004-07-04 09:15 | SF | Comments(2)