「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

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「妄想代理人」今敏



全13話構成で2004年2月2日からWOWOWにてスクランブル放送された。今敏監督の初めてのテレビアニメである。
休みを利用して一気に鑑賞した。一話完結形式だが、全部見ないと判らない仕組みなっている。本来なら長編アニメ向けだなと感じる作品。
癒しキャラクター「マロミ(犬がモチーフ)」をデザインした鷺月子は、ある夜、通り魔「少年バット」に襲われた。少年バットは次々と人々を襲い、市民を恐怖へと陥れていく(都市伝説化)。しかし、目撃者がいるにも関わらず、少年バットはなかなか捕まらない。刑事猪狩と馬庭は、やがて、被害者の持つ不思議な共通項に辿り着く。
今敏は人間の潜在意識、押し隠した欲望、そんな眼に見えない疲労感や恐怖感を視覚化する魔術師のような監督である。監督のこの表現への挑戦は2006年の「パプリカ」へと繋がっていく。
この2作品の音楽を担当している平沢進の音楽も素晴らしい。
監督の次の作品が待ち遠しい。
妄想代理人(1) [DVD]
映像のための音楽~平沢進サウンドトラックの世界
※作品のオープニングテーマ曲「夢の島思念公園」と「パプリカ」のテーマ曲「白虎野の娘」が収録されている。


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作者は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編

神様の立候補/ヒーローで行こう!

盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編

薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏
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by hajime_kuri | 2009-04-27 10:16 | 映画 | Comments(2)

盗人猛々しい

中国、ITソースコード強制開示強行へ…国際問題化の懸念

中国政府がデジタル家電などの中核情報をメーカーに強制開示させる制度を5月に発足させることが23日、明らかになった。
制度は、中国で生産・販売する外国製の情報技術(IT)製品について、製品を制御するソフトウエアの設計図である「ソースコード」の開示をメーカーに強制するものだ。

知的財産を、侵害しまくっている国の、政府からしてこれですか・・・。
単にソフトウェアだけでなく、それが担っている国家機密や個人情報まで、かの国の連中に「だだ漏れ」になる可能性あり。
もう禁輸でいいだろう。あの国には・・・。
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by hajime_kuri | 2009-04-24 16:03 | 時事 | Comments(2)

純喫茶磯辺



2008年7月の公開映画。監督・吉田惠輔。
妻に出て行かれたダメ親父磯辺裕次郎と一人娘咲子。父親の急死で遺産を手にした裕次郎は、ぐうたらした生活を始めるが、娘の手前仕事を始めることにする。それが「純喫茶 磯辺」だ。
まず、喫茶店開業の動機が安易。従業員の娘に安易に恋をしてしまうし・・・。この親父の安易なダメぶりに、観客は、「やれやれ、とほほ」と思いながら、同時に「でも、人間ってそうだよな」と共感する仕組みになっている。この観客から共感されるキャラクターが娘の咲子の役割だ。
喫茶店の妙な客たちも、「あるある」とうなづいてしまう。そんな温さが「心地いい」ユーモアになっている。
希望や勇気などを鼓舞される映画ではない。でも、人生これでいいじゃないか、と思わせる、そんな作品が見たいときが人間にはあるのだな。
この作品では、娘役の仲里依紗がとても魅力的。別居している母親との微妙な関係や、高校生らしい不安定な気持ちなど、繊細な演技をしている。
純喫茶磯辺 [DVD]
※基本的に、↑このリンクは別ウインドウで開いています。悪しからずご了承ください。
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by hajime_kuri | 2009-04-24 13:32 | 映画 | Comments(0)
遅ればせながらのレポート。
実は、2月末の社員旅行で京都に行ってきた。
勤務先の負担で旅行が出来る場合にうれしいのは、どんなに些細な場所であっても訪問できることである。
今回の京都も、自費で来ているならば訪問先は厳選して、限られた時間の間に見れるだけ見るぞ、という根性路線になって、当然訪問先も重文の神社仏閣関係になるのだが、社費で来ているのだから普段は犠牲にするような場所をことさら選んで見ることが出来るのである。
例えば以前東京に行ったときは、本来なら旅の主目的にはなりがたい本郷の弥生美術館へ行ってきた。
さてそこで、今回の京都である。
たまたま宿泊先のホテルから地下鉄一区の場所に「京都国際マンガミュージアム」があったのだ。これはマンガファンとして行かねばならないでしょう。
ここは、京都市と京都精華大学の共同運営で、いまや世界から注目されているマンガの収集・保管・展示およびマンガ文化に関する調査研究及び事業をおこなっている。
企画展開催中で、奇しくも俺の好きなフランスのBD(バンドデシネ)の特集だった。メビウスの原画と谷口ジローの原画に接することが出来て、それだけで俺の京都旅行は実りがあったと思えたね。
もうひとつの目的は、このミュージアムの建物(もと龍池小学校)。
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これがいいんだ(写真参照)。1869(明治2)年11月に開校した学制発布より古い小学校で、建築としてもすばらしいもの。この古建築のすばらしさを思う存分堪能しましたよ。
その後、三条烏丸通りを散策して、レトロ建築を鑑賞した一日でした。

↓ GW中は、「メビウス=ジャン・ジロー」の企画展開催中。関西圏の人たちがうらやましいよ。
京都国際マンガミュージアム
まっ、俺もETC割引を利用して、バイクで行くかもしれない。
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by hajime_kuri | 2009-04-22 23:46 | レトロ | Comments(0)


「ワイルド7」などの活劇マンガで、香港映画のアクションシーンにまで絶大な影響を与えた望月 三起也の知られざる傑作。
週刊少年ジャンプ1971年20号から44号まで連載。
比類ない美貌とアジテーションの才能を持つ少年・日向光(ひゅうがひかる)が、その魅力を武器に日本の独裁者へと上り詰めていく物語。特に面白いのは、テレビなどマスコミの力を利用したプロパガンダでのし上がっていくところ。
印象的なシーンは、光が、歌謡番組で歌うアイドルを見て、「こいつが欲しい」と言うところ。周囲の人間はアイドルをモノにしようとしていると思い込むのだが、光が欲しかったのは、その敏腕マネージャーの方。そのマネージャーに「カリスマの演出」をまかせるのである。「ジャパッシュ」とは、光が組織した私兵組織で、そのユニフォームのデザインは明らかに三島由紀夫の「楯の会」を想起させるもの。wikiによれば、「ジャパッシュ」は「日本」(Japan)とフランス語で「不良」「ならず者」を意味する「アパッシュ」(apache)を組み合わせた造語だとのこと。これは初めて知った。
1974年、高校生の俺は、単行本でこの作品を読み、大いに感心したものである。
ストーリーの上では、光と敵対する正義の主人公がいるのだが、光の悪の魅力の前にはかすんでしまう。「悪の主人公」としての光の存在が強烈過ぎたために連載を中断してしまったらしい。少年誌の限界だったのだろう。
ジャパッシュ (ぶんか社コミック文庫)

ジャパッシュ (Comix & culture collection (1))

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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編・栗林元

神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元

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by hajime_kuri | 2009-04-21 20:34 | コミックス | Comments(2)


‘82~85年に雑誌掲載された作品を集めた一冊。関川 夏央, 谷口 ジローの完璧なコンビが印象的な作品を連発していた時期である。
同じコンビの「新・事件屋家業」が、ユーモアやペーソスを含んだライトなハードボイルドだとすると、この「海景酒店―Hotel harbour‐view」は、そういった遊びの一切無い、本当にハードボイルド(しかもスタイリッシュ)な作品ばかりである。
二人があえて挑んだ実験作が「グッドラックシティ」。縦長のコマを続けていき、日本式のBD(バンドデシネ・仏のコミック形式で、こちらはシネラマ比率に近い横長のコマ)を意図したのかもしれない。
その他の作品は、男と女の殺し屋を狂言回しにした短編である。
この時期の谷口ジローの絵は、個人的に大好きなタッチだ。
マンガ作品の中には、ストーリーはいいけど絵が合わない、と感じる作品がある。マンガ家自身もそういうことを感じるらしく、近年では、自分で描く一方、他の漫画家の原作に回ったりする人もいる。
谷口ジローの作品は、その絵の魅力がストーリーを裏切らない、むしろ逆に「手垢の付いたような男と女のストーリー」が、谷口ジローの絵にかかると魔法のように艶を帯び光を放つのだ。
この作品集の中ではアラン・ソーモン原作の「東京式殺人」がタッチとして少し異色である。コントラストがくっきりしていて、今で言えばフランク・ミラー的。「ヘビーメタル」や「1984」といったアメコミ・BD(バンド・デシネ)系の雑誌に親しんでいた俺は、当時、こりゃ「ヘビーメタル(仏誌メタル・ユルランの英語圏版)」に掲載されていても違和感無いなあ、なんて思ったものだ。

※70年代後半は、風忍(ダイナミック・プロ)などが「ヘビーメタル」に作品を発表したりして、日本のマンガ家作品が海外へ出て行く最初の時代だった。また、メビウス、リチャード・コーベン、アレックス・ニーニョなどの海外のアーチストのイラストやコミックが日本でも紹介された時代で、そんなタッチに刺激を受けた意欲的な日本の若手漫画家が次々と出てきた時代である。(板橋しゅうほう、大友克弘、ひさうちみちお、荒木 飛呂彦など)

この後、谷口ジローは本当に「メタルユルラン」に作品を寄せたりして、現在フランスでも人気が高い。ペン・ネームの元になったジャン・ジロー(メビウス)と一緒に作品を作ったりもした。なんだか、このソーモンというのは、谷口ジローをヨーロッパへ紹介しようとした関口夏央本人ではないかと想像する。「東京式殺人」はそんな狙いの作品だったのかもしれない。

海景酒店―Hotel harbour‐view (Action comics)

※マンガ原作などを夢見ていた当時、谷口ジローの絵は、初期の平野仁の絵と並んで、俺の憧れでした。

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by hajime_kuri | 2009-04-19 09:23 | コミックス | Comments(2)

マッドメン



代表作「海神記」を買ってきて読んでいる。読み終わったらこのブログで紹介しようと思っていたら、なんと2004年から、この書評ブログをやっていながら、大好きな諸星大二郎の作品に関して全然紹介していなかったことに気づいて愕然とした。
ということで今回は「マッドメン」だ。この作品は1975年に第1作が発表され、1979~81年に「月刊少年チャンピオン」で連作掲載されたという。諸星大二郎の実質的なデビュー作は、少年ジャンプの手塚賞、初連載は同じくジャンプの「暗黒神話」なので、てっきりこの作品もジャンプだと思っていたが、チャンピオンだったのか・・・。
当初のスタートは、ホラーテイストの短編なのだが、これが連作長編となっていくとは思いもよらなかった。
民俗学者の父が連れてきた、パプア・ニューギニアの一部族の少年コドワと義理の妹になる波子の物語である。原始の姿のまま生きるニューギニアの人々と、彼らが否応なく関わらざるを得ない「現代文明」のせめぎあいを、コドワという高貴な美少年を取り巻く神秘のドラマで描いていく。
この作品で初めて、「呪的逃走」「ペイ・バック」等という比較神話学の用語などを知ったものである。実際のニューギニアの民俗を取材したのだろうなあ。諸星大二郎の絵の迫力に圧倒される。
実は私の近所には、民俗学博物館「リトルワールド」があり、ニューギニアの仮面などが豊富に展示してある。初めて、その展示を見たとき、この作品を思い出して、「おっ、オンゴロの仮面やんか」などと思ったものである。
とにかくイマジネーションを刺激される壮大な物語だ。このような作品こそ、いい音楽と俳優を使って、映画化して欲しい。堂々たる作品になると思う。
※「呪的逃走説話」
「死者が追ってくる-妨害にモノを投げる-障壁を越えて逃げる」というモチーフ。おそらくは、死者が生き返ってきて生者に害をなすのではないかという恐怖から生まれたものらしい。日本神話の「伊邪那岐(いざなぎ)の冥府くだり」とギリシャ神話の「オルフェウスの冥府下り」などの類似性が有名。

マッドメン (1) (創美社コミック文庫 (M-1-1))
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by hajime_kuri | 2009-04-17 10:38 | コミックス | Comments(0)

おくりびと



実は、この作品が米アカデミー賞の外国語映画賞を受賞した2月23日の二週間後に、自分の父親が亡くなった。先日DVDで鑑賞した際は、自分の父を納棺した記憶がまだ新しいうちというか、まだ忌明けもすまないうちだったわけだ。
特に印象的だったのは、化粧を施した故人が、遺族に与える影響を描いたシーン。私も衰えた父の顔が、健康だったころの顔に戻っていくのを見てちょっぴり神妙な気分になったのであった。
考えてみれば、「死」の問題は故人ではなく残された遺族の心の問題なのである。死生観とは、いかに死ぬかではなく、死ぬまでいかに生きるかの問題なのである。
この映画では、「死」と「死者」に対する距離の取り方が絶妙である。役者たちの演技も抑制が効いていて好ましい。滝田監督らしいユーモアもよかった。「死」こそユーモアで語らねばならないと思うからである。
父の死と同じタイミングでこの映画に出会えたことを感謝したい。
この作品は、感動や涙を強制する底の浅い映画ではないから、そんな映画を警戒している人も安心して見て欲しい。
おくりびと [DVD]
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by hajime_kuri | 2009-04-16 16:03 | 映画 | Comments(3)


「夜の上海」
2007年の作品である。オサレなラブコメかよ、「けっ」と思っていたのだけど、予想外に素敵な作品で、食わず嫌いは損だよなと実感した。本木氏の「おくりびと」つながりで見たわけですが・・・。
トップヘアメイクアーティストの水島直樹(本木雅弘)は、音楽祭の仕事のために上海に。音楽祭終了後、街にひとり繰り出すが、迷子になってしまう。街を彷徨っていると突然、女性ドライバーのリンシー(ヴィッキー・チャオ)が運転するタクシーにぶつかられてしまう。それをきっかけに、言葉の通じない二人の上海の夜が始まる。
登場人物たちは、みな現在の恋に疲れていたり、おずおずとしていたりするのだが、上海という美しい舞台が、彼らの心に決着を突ける勇気を与えてくれるという構図。優れた上海観光映画にもなっていて、俺も10年ぶりに上海に行きたくなりましたよ。
映像センスは抜群。音楽はスマート(アジアのジャズの本場、上海ですよ)。登場人物はみんな美貌。なんともハンサムなアジア映画に仕上がっている。
でも、一番の魅力はヴィッキー・チャオ。改めてファンになった。派手な美貌の印象がある彼女だが、おずおずとした娘心をうまく演じていて、抱きしめたいような魅力である。もう彼女のための映画だ。
映画のラストは、彼女の一言で締めくくられる。
「私のこと好き?」
俺は、モニターに向かって思わず答えたね。
「大好き!」

夜の上海 [DVD]
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by hajime_kuri | 2009-04-12 19:46 | 映画 | Comments(0)
実は、今月から勤務先での所属が「SEO」(検索エンジン最適化)とか「SEM」(検索エンジン連動マーケティング)などのWEBマーケのセクションになった。
どれ、改めて勉強しようとばかりに、この自分のBLOGに検索エンジン最適化の処置を施してみた。
診断ツールは、セプテーニのSEO診断ツール「Dipperβ」
キーワードは「読書記録」。ページタイトルの「読書記録゛(どくしょきろぐ)」の「゛(だくてん)」のない、かなりビッグ(SEO的には、"より一般的"な語というような意味)なキーワードである。
まず最初の診断では、Yahooの検索では「圏外」、Googleの検索では「12位」、MSNでは「圏外」。ページランクは「3/10」。当然既存のブログサービスだから、タグやページ構造に関しては、特に問題は無かった。
そこで、まずページの中でキーワードの「読書記録」という言葉の使用を増やした。まずサイトの説明文"読んだ本、見た映画の記録~"を"「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画~"に、また"おすすめLink"を"「読書記録゛」のおすすめLink"にしたりである。
さらにピングの送信先が4ヶ所だったのを10ヶ所以上に増やした。また、過去の記事に関する同様の内容の記事を探して、トラックバックさせてもらった。
最後に、さるSNSの私の個人ポータル画面の中に、このブログの記事が更新されるたびに新着記事として読み込まれるように設定した。これで被リンクが50ほど増えた(!)。
その結果、評価ポイントが「58」から「68」にアップ。
Yahooの検索では「圏外→9位」、Googleの検索では「12位→5位」、MSNは「圏外」のまま、という結果になった。
ただ、もともと「読書記録゛」の評価の大部分は、「2004年から続けている」ということと「記事が多い」という点であったことでもわかるように、「長く続けている」「コンテンツの内容が濃い」という部分は、小手先の技術ではいかんともしがたいものだなあと感じたしだいである。
蛇足ではあるが、このブログのタイトルは「きろく」と「ログ」とにかけた洒落なのだが、同時に検索用の「読書記録」という一般的な言葉と、訪問者の心に印象を残す「変な名前」の両方の条件を満たす名前だったなあといまさらながら感心している。
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by hajime_kuri | 2009-04-10 10:18 | WEB | Comments(5)