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「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

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慰安婦問題で納得できないことがある。それは、元慰安婦の方たちを支援する方たち、正確にいえば、韓国のマスコミを中心とした側の、巧妙な論旨のすり替えである。
日本側では、誰も慰安所が存在したことを否定する人はいない。ただ、日本が国を挙げて軍を使って大量に女性を強制的に集めたという主張には、裏付けがない、と言っている。
それが、どうして「日本は慰安婦の存在を否定する」ことにすり替わるのだろうか。「慰安婦制度を正当化する」ことに言い換えられるのだろうか。高級将校の3倍の給料をもらっていた彼女たちが、どうして「奴隷」なのであろうか。奴隷とは、無報酬でこき使われる存在である。
考えてみれば、朝鮮の「併合(アネクゼイション)」を「植民地支配(コロナイゼイション)」と言い換えるのも詐欺的である。東南アジアを植民地支配したヨーロッパ諸国は植民地に国立大学を建てたり、全土に小学校を作ったりしただろうか。

貧困から女性の性すら商品にしなければならなかったい時代を正しいという日本人は一人もいない。しかし、慰安婦で日本を攻撃する韓国には、女性の人権に対する思いや、慰安婦に対する同情や共感よりは、「憎い日本を、悪しざまに攻撃できるという、痛快さ」がほの見えるのだ。以前、修学旅行で韓国を訪れた日本の高校生に、朝鮮併合を土下座で謝罪させて、「胸がすっとした」と笑う韓国の老人の記事を読んだ時にもそれは感じた。
元慰安婦の女性が、韓国で同情を集めるのは、それが日本を卑下できる存在だからではないのか。朝鮮戦争時に、アメリカ軍をはじめとする国連軍相手の慰安婦は、韓国政府によって集められた証拠が公式に残っているにも関わらず、韓国民で彼女たちを支援しようという動きはない。

なぜならば、韓国政府やアメリカを非難しても、韓国人の胸はすっと晴れないからである。

韓国では国営キーセンという、政府公認の売春制度すらあった。そこで働く女性たちは、ドルを生む天使として賞賛すらされたという。
韓国が、売春を禁止を議会で決めたのは21世紀に入ってからである。日本から遅れること半世紀。そのような国から、女性の人権に関して上から目線で非難されるのは、大いに違和感を感じる。

慰安婦問題に関しては、調べれば調べるほど、韓国に配慮して口を閉ざしてきたことが、事態を悪化させたとしか思えないのだ。そして、日本相手に訴訟を持ちかけた、日本の良心的な弁護士たちにも、違和感を感じざるを得ない。

よくわかる慰安婦問題

慰安婦と戦場の性 (新潮選書)

「慰安婦」問題とは何だったのか―メディア・NGO・政府の功罪 (中公新書)
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作者は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編

神様の立候補/ヒーローで行こう!
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by hajime_kuri | 2013-05-25 14:32 | 時事 | Comments(0)

「小さき者へ」重松清


お父さんが初めてビートルズを聴いたのは、今のおまえと同じ歳―十四歳、中学二年生の時だった。いつも爪を噛み、顔はにきびだらけで、わかったふりをするおとなが許せなかった。どうしてそれを忘れていたのだろう。お父さんがやるべきこと、やってはならないことの答えは、こんなに身近にあったのに…心を閉ざした息子に語りかける表題作ほか、「家族」と「父親」を問う全六篇。(アマゾンより)

表題作は、父親が子供に書いた、でも出せなかった手紙で構成されている。子供が何を思い、何にいらだち、何に怒っているのか。そして、同じ年のころ、子供だった自分は父親をどう見ていたのか。人の親となり、家族の問題を抱えた時、父は何を思うのだろうか。
実は、俺の息子は高校を中退して、すでに6年も外へ出れない。そんな自分にいらだち、小さな小さな社会である家族にいらだち、未来に対しては希望より不安が多いようだ。俺は、その高校中退騒ぎの渦中に、同居の親(元教員)から子供の教育で責められ、仕事に穴を空けて勤務先から責められ、結局メンタルを病んでしまった。
重松清の作品で、僕は涙を流して、それでも少しほっとする。つらいのは、僕だけじゃないんだ。子供をわかってはやれないが、最後まで一緒にいてやろう。親なんだもの。

小さき者へ (新潮文庫)


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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編・栗林元

神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元

盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元

薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
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by hajime_kuri | 2013-05-19 11:01 | 純文学 | Comments(0)

意地っ張りだけどマジメなシュウ、お調子者で優しいヤスオ、クールで苦労人のコウジは、中学からの友だち同士。コウジの母親が家出したときも、シュウがカノジョに振られたときも、互いの道を歩き始めた卒業の日にも、三人の胸にはいつも、同じメロディーが響いていた。サザン、RC、かぐや姫、ジョン・レノン……色あせない名曲たちに託し、カッコ悪くも懐かしい日々を描く青春小説(アマゾンより)。

中学から高校までの時代を舞台に描いた青春小説で、俺的には登場人物より3歳ほど年上になる。流行歌を下敷きに描かれる小説は、決して珍しいものではない。むしろ陳腐かもしれない。でも重松清だ。読みごたえのある作品になっている。
友達との友情と同時に、故郷と親を捨てて大人に踏み出す物語でもある。そこが、個人的に胸に迫るのだ。
実は、俺もこの小説の登場人物と同じように、愛知県という地方都市の、その閉ざされた世界ではトップクラスと言われた県立高校に間違って合格してしまった少年だった。身につまされるんだよね。紆余曲折の果て、現在ブルーカラーの仕事をしている俺は、世間的には負け組なんだろうな。でも作者のまなざしは、そういうものにも温かい。俺が重松清の作品にひかれるのはそんためなのかも。
あの頃、親に対して感じていたさまざまな思いがよみがえった。そんな少年(俺)が、今は人の親なのである。

あの歌がきこえる (新潮文庫 し 43-14)
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by hajime_kuri | 2013-05-18 21:51 | 純文学 | Comments(0)

「流星ワゴン」重松清



死んじゃってもいいかなあ、もう……。38歳・秋。その夜、僕は、5年前に交通事故死した父子の乗る不思議なワゴンに拾われた。そして――自分と同い歳の父親に出逢った。時空を超えてワゴンがめぐる、人生の岐路になった場所への旅。やり直しは、叶えられるのか――? 「本の雑誌」年間ベスト1に輝いた傑作。

重松氏の描く3組の父親と息子の物語である。
自分が父親になった時、まず考えたのが、俺の父親が今の俺の年だった時、同じ状況でどう考えたのだろうか、ということだった。自分の子供が成長する折々の局面で、いつもそれを考える。そして同時に、自分が息子と同じ年だった時、どれほど父親が嫌いだったかということも。
僕の父親は、80歳を目前にして、ぽっくりと急逝した。何しろ、死ぬ数時間前に、自動車を運転して確定申告の会場へ行っていたぐらいの急死だった。
この作品を読んだ最初の感想は、ああ、俺は結局、本当の意味での和解をしないうちに親父と別れてしまっていたなということだった。
この作品の父親たちは、父になることによって、はじめて自分の父と和解を果たす。読んでいて、何度も目がうるんできた。
俺も、父として、家族と向き合って、もう一度、生きてみようという気持ちをもらった。

流星ワゴン (講談社文庫)
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by hajime_kuri | 2013-05-11 19:36 | 純文学 | Comments(0)