「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

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今年でBLOG10周年だった

2004年から始めたこの「読書記録゛(どくしょきろぐ)」だが、今年の2月で11年目に突入していた。
当初は、もっぱら、読んだ本や観た映画の紹介などを書いていた。
今でもよく読まれている記事は、ジョージ秋山のマンガ「ザ・ムーン」を紹介している記事。
また、俺自身の糖尿病闘病記もいまだに良く読まれている。これは、1年かけた肉体改造で、インシュリン注射から脱却するまでを詳細な記録でつづっているので、血糖値の高い方は必見だろう。
皮肉なことに、俺自身はうつが酷くなってモチベーションが下がり、5年後に再び注射に逆戻りした。
挙句の果てに会社を辞めたし。

考えてみると、インターネットに接続してから20年である。初めてWEBサイトを作って、小説を載せ始めたのが1997年の1月5日である。HTMLのソースコードを覚えて、広告会社で、WEBディレクターとかやり始めたきっかけも、自分の作品を大勢の人に読んでほしいからだった。

サイトでアップしていた小説のひとつは、名刺代わりに「青空文庫」で無償公開している。
昨年から、電子書籍が本格的に普及し始めて、ネット生活20年にしてKindle本を出すことができた。
当面は、過去の作品を電子書籍化していくけど、新作も書きたいなあ。
このブログを利用して、連載みたいな形で書いてみたい気がする。読者の反応を見ながら作品を書いてみたいのだ。
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by hajime_kuri | 2014-03-25 23:49 | 管理者kuriのコメント | Comments(0)

永遠の0



本日映画を見てきたので、それも踏まえて考えたことを書こうと思う。
作者の百田氏と俺は昭和30年代生まれの同世代。正確には俺より2歳年上である。
彼がこの作品を書き上げた気持ちが痛いほどわかる。われわれ世代は戦後の教育で、教員や文化人の著作やマスコミの報道などで、太平洋戦争中の日本とそれ以前の日本をかなり否定的に教育されている。たとえば、女性にこそ選挙権は無かったものの、成人男性には選挙権があったにもかかわらず、戦前からずっと言論を弾圧された独裁国家であったかのようなイメージづけ。農村の貧困を、あたかもロシア革命直前の農奴制と同じであるかのようなイメージづけ。
小学6年生ごろから、岩波文庫や岩波新書を読んでいた、ませたガキだった俺は、「だから、革命が必要なんだ」と感じたものである。
「カムイ伝」を読んだ時などはもう、左翼になっちゃいましたよ(苦笑)。
「日本人に生まれて申し訳ありません」という気持ちになった。子供心に「どうして僕は日本人に生まれたのだろう」とまで思った。
多くの若者が、中国・ソ連・北朝鮮を労働者が主役の地上天国だ、と信じていた時代である。
ただ、内ゲバ事件などで、左翼学生の行動もベクトルの向きが違うだけで、その動機や行動は右翼と同じだと感じ始めてから、自分で歴史の本を読んで、どうもこれは、今まで聞いてきたことと違うじゃないかと気づき始めた。
「大空のサムライ」をはじめとする戦記。ジョン・トーランドの「大日本帝国の興亡」をはじめとする歴史書など。
最初の驚きは、旧日本軍の兵士は、学徒出身者だけでなく下士官クラスの人間も、体験を著述にできるほどのインテリであったということ。貧しくて進学ができない優秀な人材が、その向学心を満たすために軍隊の幼年学校に進むわけで、アメリカ軍が日本兵の大半が毎日日記をつけていたことに驚いたほどである(彼らは、日本軍の作戦を知るために日本兵の死体から、日記を回収していたという)。ソ連の農民出身兵や、中国国民党の軍閥上がりの兵士とは違うのだな。余談であるが、日本兵は毎月給料を支給されていたが、国民党の軍隊は「戦場での略奪を黙認する」のが給与であったという。戦場での残虐行為、どっちの軍隊がやっていたのだろうか?
さらに、特攻隊で亡くなった若者たちは、決して洗脳されたわけではないということ。検閲されている遺書には本音は書けないのだ。
そして、もうひとつが、戦争を選択したのは、軍部の暴走でも、資本家の陰謀でもなく、朝日新聞社の「腰抜け東条、勝てる戦なぜやらぬ」という記事をはじめとする愛国記事に煽られた国民自身であったということ。
作者の百田氏も同世代の一人として、同じ発見をし、同じ驚きをしたのだと思う。
この「永遠の0」は、その驚きの体験を、若い主人公が、特攻隊で死んだ祖父の人物像を調べるという過程に仮託して描いたものである。
「海軍一の臆病者」とさげすまれた宮部は、そのまま、現在、中国・韓国から「戦犯国」と卑下される日本と言う国に重なる。
そして、生き残った仲間が、宮部の妻子を守るために帰ってきてからの献身は、そのまま戦後復興にまい進した生き残り世代の献身に重なるのだ。
戦場に赴く宮部に、妻と子に「死んでも生まれ変わって帰ってきます」と言わせた百田。
そして帰ってきた戦友に助けられ、姿を変えた夫が帰ってきたのだと思う妻。
俺は不覚にも涙した。百戦錬磨の読書野郎で、自分でも小説を書く俺が涙した。
子供たちの世代に、素晴らしい国を残していきたいと考える、俺や君や大勢の日本人は、全員、あの戦争で死んでいった若者たちの生まれ変わりなんだ。
子供時代に、「日本人に生まれて申し訳ありません」という気持ちになり、子供心に「どうして僕は日本人に生まれたのだろう」とまで思った俺は、今、「日本人に生まれたことを誇りに思っている。あの戦死した若者たちの遺志を次ぐために生まれ変わってきたことを誇りに思う」
百田氏は、その感動の気持ちをどうしても若い世代に伝えたかったのだ。
俺は、その気持ちがわかる。この作品を書いてくれてありがとう。心から、ほんとうにありがとう。

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作者は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

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by hajime_kuri | 2014-03-17 21:00 | 戦記 | Comments(0)