「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

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電子書籍第二弾として、「1988獣の歌」を出版した。AmazonのKindleストアである。
 この作品は、1989年に書き上げたものである。結婚して最初の子供が産まれた前後の時期で、勤務先の広告会社の給料だけではなかなか生活が苦しかった。
 そこで、小説を書くという能力で手っとり早くお金を稼ごうと思い、官能小説を書いたわけだ。
 最初に書いたのが巻末に収録した短編で「探偵・隆 濡れた調査簿」。通常の日常でセクシャルなストーリーを書くのに照れがあり、ハードボイルドミステリーのスタイルで書いた。試しに送った東京三世社の月刊官能小説でいきなり採用された。ただ、勤務の合間に1ヶ月ほどかけて書き上げた40枚の原稿料が、友人の弾射音氏が一晩で書き上げた5枚のショートショート(こっちは小説現代)の原稿料より安かったというていたらくで、世の中は甘くないなと思った(笑)。
 直後に、テレビドラマの原作募集で佳作をいただいたりしたので、よし官能小説はこれを最後にしよう、と思って書き上げたのがこの「1988 獣の歌」である。
 当初は「心獣の歌」というタイトルで、日本ホラー小説大賞に送ったのだがかすりもしなかったようだ。その後は、自分のホームページ「デジタル文芸」上で無料公開していたものだが、今回最小限の補筆の上、Kindle版として電子出版することにした。
 20年以上前に書き上げた作品だが、先日読んだ知人は、「早すぎたのでは」と言っていた。
 人の心に潜んで、性行為を媒介として、人から人へと移動する肉体のない知性体を主人公にするアイデアは、以下の作品群からインスパイアされた。
・「20億の針」、ハル・クレメントのSF小説で、人間に寄生する宇宙人の話。あの傑作マンガ「寄生獣」もこの作品の延長線上である。
・PCゲーム「レリクス」、1986年にボーステック社が発表した作品で、倒した相手の肉体に乗り移って進むゲームで、最初はゲームの目的すら判らないと言う異色作。
・「インキュバス」、レイ・ラッセルのモダンホラー作品。アメリカの田舎町を舞台に起きる連続セックス殺人事件の物語だが、優れたSFホラーになっていて、この作品を読んで官能小説でも「すごいエンタメ」が書けると教わった。プレイボーイ誌に連載された作品で、ラッセル氏自身が同誌の編集長だったことがあるとのこと。
・PCそのもの。OSとSOFTを入れたフロッピーディスクさえあれば、どのパソコンでも同じ作業ができるのが新鮮だった。入れ物としてのPCと、実体であるOSとメモリのはっきりとした役割の区分けを、この作品では肉体と心に敷衍して解釈したわけだ。

 今回、Kindle版にするにあたり、あえて縦書きは採用せず横書きのままにした。というのも、物語の語り手である「けもの」は、冷静な(ある意味、冷笑的でもあり冷徹でもある)観察者だ。その理系的な描写には、講談社のブルーバックスなどで親しんだ横書きの文章こそが似つかわしいと感じたからである。
下記からリンクしています。本日より5月末まで、記念として下記2冊の無料キャンペーンを実施中。ふるってダウンロードください。

1988 獣の歌/他1編

神様の立候補/ヒーローで行こう!
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by hajime_kuri | 2014-05-26 22:24 | 俺の作品 | Comments(0)

私のお気に入り



KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM10

一番初期のタイプだけど、最近また良く使っている。スマホもいいけど、やっぱり俺はキーボードでないとね。
起動が速くてすぐ打てる。また搭載している日本語入力がATOKなのもいい。
休日の午前中など、くつろげる喫茶店で、BLOG用の文章を打っているときは楽しい。
今年に入って、KDP(キンドルダイレクトパブリッシング)で電子書籍(小説)を出しているけど、おかげでポメラを使う機会が増えたよ。
KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM10シロ パールホワイト
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by hajime_kuri | 2014-05-26 20:59 | 日常 | Comments(0)


いつもは立ち読みだけど、この号は購入。
きれいなグラフで、ポップ・アートの歴史をたどり、ネオポップの村上隆やヤノベケンジらの対談も面白い。
でも高い雑誌だよね。

美術手帖 2014年 04月号 [雑誌]

↓ ちなみに、こちらは、俺の地元の名古屋に出来たパチンコ屋ZENT楠店の駐車場に立っている、ヤノベケンジの作品「ウルトラサンチャイルド」。夜だったので、シャッター速度が遅くなったようでぶれている。iPhon5cで撮影。
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編・栗林元

神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元

盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元

薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
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by hajime_kuri | 2014-05-07 20:13 | art | Comments(0)
高校にうその手紙 JTB中部の元社員逮捕
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140505/t10014234481000.html

この事件、概要は、「JTB中部」の元社員が、岐阜県の高校から依頼を受けたバスを手配しなかったミスを隠すため、生徒を装って自殺をほのめかすうその手紙を届けて遠足を中止させようとしたものだ。
この社員の行動が愚かなのは当然だ。
ただ、俺としては、手配漏れがわかったのが前日なら、社員が力を合わせれば、近隣のバス会社から空いている車両を集めてドライバーとガイドぐらい手配できたろうに、と思った。
社員は、新人でもなくもう30歳なのだから、それぐらいの知識はあろう。
にもかかわらず、上司や先輩に相談もしなかったのはなぜだろう。むしろ、相談できないような企業の風土だったのではないか?
普段から、ミスや失敗があった時に、叱責より先にまずは客に迷惑をかけないようなフォローのために上司や先輩が率先して取り組む、そんな企業であったなら、彼も狂言でごまかそうとは思わなかったのではないか。

人間がする仕事では、必ずミスは起きるものだ。そのミスはカバーできる、してもらえる、という信頼感が、逆にミスを最小限にするものである。
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by hajime_kuri | 2014-05-06 08:24 | 時事 | Comments(0)

憲法記念日に思ったこと

私は、両親が教員だったせいもあり、読書に関しては早熟な方だったと思う。
父は書籍代が経費で落とせるために、本だけは望むものをすべて買ってくれた。望まないものまで、これを読めと言って買ってくれたものだ。ヘルマン・ヘッセの「車輪の下」なのだが、中学1年の時に与えられても、わからねえよ。就職してから読みなおして感動したけどね。
小学校の6年の時に、岩波新書を読むようになった私は、戦後の平和教育を怒涛のように浴びながら育ったわけである。
当時の言論では、
・日本は戦争を巻き起こした侵略国家で、
・戦争に突き進んだのは軍部の暴走、資本家の後押し
・国民は戦争の犠牲者
・ジャーナリズムも弾圧されていた
といった具合で、子供心にも「日本国憲法」で縛らなければ、この国はいつ暴走するかわからないダメな国。
日本人は民主主義すら実現できなかったダメ国民だと思わされたものである(苦笑)。
五味川純平の「人間の条件」、「戦争と人間」、その映画化作品など、またマンガ「カムイ伝」などの影響で、私より5歳から10歳ほど年上の世代はほぼ例外なく左翼だった。反体制でなければ若者にあらずという時代。
また、そんな青年が女にもてたわけだ。これは、アメリカでも同様で、ベトナム戦争に反対する若者がもてたらしい。このあたりは、ロックオペラ「ヘアー」とか、映画「いちご白書」、「イージーライダー」など。
そんなお兄さんたちにあこがれる当時中学生の私である。
だが、その後、左から右まで歴史の本などを読むにつれ、実際には、
・戦争を望んだのは、景気のいい愛国論調のマスコミ(朝日新聞など)にあおられた国民自身。
であったことを知った。
また、「人間の条件」、「戦争と人間」を作った日活がすごく組合の強い会社だということも知った(笑)。
俺をおののかせた「悪魔の飽食」が、新聞赤旗に掲載されていたこととか(笑)。

思えば、平和憲法を歌い上げたとき、日本人は自分たちこそ最低の国民だと思っていたのだろう。

まさか、「軍隊のいない隙に、日本の漁船を拿捕したり、漁民を殺したり、島を不法占拠したりする国」(大韓民国)や、「日本国民を不法に拉致してスパイにする国」(北朝鮮)や、「資源があるとわかった途端に、日本の国土に対して領有権を主張する国」(中国)のような国など、当時は想像すらできなかったのである。
車を運転する時、どのような状況でも制限速度をきっちりと守りとおすことが、かえって渋滞を引き起こして事故を引き起こすことがある。
憲法論議でもそれを感じる。どのような状況でも制限速度をきっちりと守れというペーパードライバーに対して、熟練のドライバーが速度を上げざるを得ない局面もある、停止線より先で、もう一度停止することもある、と説明するが、外交、国防のペーパードライバーには通じないのである。
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by hajime_kuri | 2014-05-03 09:21 | 時事 | Comments(0)