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by hajime_kuri

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 以前から「説明するな描写せよ」と言っていますが、それが何故なのかを考えてみた。
 これは、言い換えれば「説明と描写のさじ加減」ということである。
 「説明」の長所は、複雑なことをわかりやすく短く伝えることができること。同時に、登場人物の感情などを廃することができることである。

 逆に短所は、読者の脳を素通りしやすいことである。

 例を上げてみよう。

 主人公は高所恐怖症である。物語のクライマックスでミッションをコンプリートするため彼は否応なく高所に行ざるを得なくなる。
 その特に、「高所恐怖症」であるという事実の読者への提示が、物語の前段で、「彼は高いところが苦手であった」という説明だけであったなら、読者はそれを忘れてしまうかもしれないしラストの盛り上がりも低い。
 そこで、作家は物語の前段で、以下のようなシーンを描写するのである。

 塔の最上階にエレベーターが到着した。展望台である。扉が開くと同時に子供たちが歓声を上げて展望窓の方に飛び出していく。「こらこら走るな」という父親の声がする。
 隆は一番最後にエレベーターを降りると、入り口近くの壁にもたれ、「ここにいるから見てくるといいよ」と言って動こうとしなかった。
 顔が青ざめうっすらと冷や汗をかいているようだった。声も震えている。
 「大丈夫?」

 このような描写を入れておくと、読者の脳裏に、彼は高いところが苦手なのだというイメージが刻まれる。クライマックスにいたって、彼の最後の戦いが高所だと暗示されるだけでサスペンスが増す仕組みだ。ちなみに高所恐怖症を使うのは、ヒッチコックが映画「めまい」でやった手法でいわば定番で、ミッションをクリアすると同時に主人公は恐怖症(または過去のトラウマ)を克服できたというお約束である。

 描写とは、読者の脳裏に「イメージで刻む」ことである。「言葉」は心を素通りしやすいが「映像」は心に残るのである。


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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編

神様の立候補/ヒーローで行こう!

盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編

薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏
小説指南
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by hajime_kuri | 2016-05-18 19:01 | 小説指南 | Comments(0)
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豊橋市美術博物館のオリジナル展のようだ。
先月の「タミヤ模型」展といい、この美術館最近サブカルに走っているのか?
と思ったら、全国巡回展とのこと。
見ごたえのある展示である。
何より、日本の戦後から現代にいたるマンガの歴史を、「表現技法、画法」といった視点から見ていくところが面白い。
この豊橋市は私が1970年代に大学生活を送った街である。
しかもマンガを描いていたマンガ少年だった。入学時にはマン研はまだ存在しなくて、少林寺拳法部に入ったのだが、私生活ではマンガを描いていて、「ぱふ」という雑誌に1ページだけ原稿が載ったこともあるマニアだった。
豊橋の西部百貨店の丸善で「ヘビーメタル」(高価だった、涙)というアメリカのコミック誌を買っては模写したもの。
そんな思い出の地で、この展示会なのだ、もう行かなきゃダメだろう。

印象に残ったのは以下。
・さいとうたかお の絵の上手さ。「無用之介」の見開き原稿、屏風絵ですかってな見事さ。
・諸星大二郎の生原稿で「ヒトニグサ」を丸まる読めた。
・田中圭一の技術解説の見事さ
(敬称略)
展示は6月5日まで。
『描く!』マンガ展~名作を生んだ画技に迫る~

ちなみにマンガ青年だった私の青春時代は、
薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏
の「自転車の夏」で作品化してある。当時の地方にいたマンガ青年の青春だ。まだコミケもなかった時代である。
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編

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by hajime_kuri | 2016-05-13 16:29 | コミックス | Comments(0)