「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

井上靖の自伝的三部作



 個人的にはビルドゥングスロマン(教養小説・成長物語)の最高峰だと思っている。
 主人公洪作の湯が島での幼少期が「しろばんば」、沼津での中学時代が「夏草冬濤」、そして柔道に夢中の高校受験浪人中が「北の海」である。





 「しろばんば」は教科書にも載っていたりしておなじみだろうが、高校生の時、なんで「しろばんば」なんだよ、と思ったものだ。中学生や高校生なら絶対に「夏草冬濤」や「北の海」の方が面白いし興味を抱くはずだからだ。






 大事件が起こるわけでもなく、淡々と物語は進行するが、洪作を取り巻く友人達の生き生きとした姿が実に魅力だ。あの頃の学生達って本当にいい。その仲間達の中で、読者はもう一度、青春を体験するのだ。
 私は、この作品群に魅了されて武道がやりたくなり、大学で少林寺拳法部へ入ったぐらい。で、酒飲んで寮歌を歌うようなアナクロな青春を送ってしまったわけだ(笑・1977年だからね)
 作者・井上靖(当然、洪作のモデル)が練習した、第四高等学校(現金沢大学)の武術道場「無声堂」が、愛知県犬山市の明治村に移築保存されている。


 自宅の近くなので、私は時々、そこで旧制高校の青春に思いを馳せてみるのである。

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しろばんば新潮文庫
夏草冬涛 (下)新潮文庫
北の海〈上〉新潮文庫
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# by hajime_kuri | 2004-02-24 23:41 | 青春 | Comments(2)
a0003784_23752.jpg表紙画像はない。すまん。かわりに主人公の銃ね。

 ベトナムで狙撃兵としてマークスマン勲章を与えられたほどの活躍をしたマック・ボランが故郷に帰ると、家族はマフィアに殺され、妹は辱められていた。ボランはマフィアに潜入し組織を壊滅させる。だがそれは、マフィアとの闘いのほんの第一歩にすぎなかったのだ。

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# by hajime_kuri | 2004-02-23 23:08 | ミステリ | Comments(0)
a0003784_121639.jpg 文芸評論家から出発し、「オカルト」や小説「宇宙パンパイヤー」などでも有名なコリン・ウィルソンの極めて初期の作品である。
彼が「アウトサイダー」などで提唱した実存哲学的な興味から「殺人事件」の研究を始めるスタート的な書である。
 20世紀に入ってからの殺人事件は精神的な傾向が強くなった。彼は、それを現代の社会と個人の関係から考察している。
 当時はまだ極めて希だった「動機のない殺人」。すべての芸術はある意味「閉じこめられた精神の脱獄」の試みだと言われる。「動機のない殺人」の中にはこの「精神の脱獄」の粗雑な現れであるものがある、というのに思わず納得させられるものがあった。

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# by hajime_kuri | 2004-02-22 12:17 | 社会科学 | Comments(3)

 私は、自分のサイトでレトロな建物や光景を収集する「大東海昭和写真館」というのをやっていた(いや本当は、まだやっているんですが、ここ一年以上更新していない・笑)。
 その中で取り上げた「伊信ビル」が最近取り壊されて新しいビルになってしまいました。ということで、その昔の姿をこのブログの方に残しておこうかな、と考えたわけだ。
 ついでに、レトロというカテゴリを作って、自分で見つけたものを上げていこうというわけ。

昭和8年築、設計は巻坂事務所、施工は大林組だ。
階段に残る大理石の飾りなどすばらしいものがあったのだが、残念ながら撮影していない。大空襲に際しても、焼夷弾をはじき返して健在だったというビル。
この姿が見られないのは、ちょっと寂しい。

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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編・栗林元

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# by hajime_kuri | 2004-02-21 18:21 | レトロ | Comments(0)

Scooterって乗り物

a0003784_17579.jpg
 せっかく二輪というカテゴリを作ったのに投稿がないのは寂しいので、普段二輪に乗っていて考えたことを書いておきます。
 写真は俺の愛車ですが、本当に流行ってますね、ビッグスクーター。2年ほど前から毎朝の通勤で何台も見かけるようになりました。
 以前はこの手のスクーターは親父(俺もそう)が乗るものと決まってました。オートマチックで運転が楽だから。ある意味、車より楽ですよ。まあ、走りもそれなりで、バイクのような急加速は無理だし、カウルでフルパッケージされててメンテも難ありですが四輪よりは多少スポーティーなイメージはあります。

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# by hajime_kuri | 2004-02-21 17:58 | 二輪 | Comments(4)
a0003784_61837.jpgマンハッタンの写真ギャラリーである。
写真のクォリティもさることながら、Flashの使い方が実にスマート。
景観は写真のフレームで切り取ることにより、はじめてアートになるのだなあと思ったよ。

http://www.elmnt.com/ny01.html
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# by hajime_kuri | 2004-02-21 06:19 | WEB | Comments(0)
a0003784_23912.jpg みなさんは鶴見騒擾事件をご存じだろうか、歴史の教科書には出てこない。私もこの作品を読むまでは知らなかった。
 大正14年12月21日、東電東京火力発電所の工事請負をめぐるトラブルから、二つに分かれたとび職や土木作業員たちが組織的に興した闘いである。いわば喧嘩なのだが、その規模はもう戦争だった。
 双方合わせて2000人超、ツルハシ・スコップは言うに及ばず、竹槍、拳銃、猟銃、カービン銃、ダイナマイトなどで戦ったのだ。午後に始まった闘いは、深夜にまで続き、市民を巻き込んだ暗夜の市街戦になったという。

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# by hajime_kuri | 2004-02-20 23:10 | ドキュメント | Comments(0)
 映画の三部作が完結し、今や映画界の話題はこの「指輪物語」一色である。
 実は私の大学時代にもこの指輪ブームがあった。もっぱらアメリカの西海岸が中心で、「ガンダルフを大統領にしようキャンペーン」などが話題になったが、当時まだなじみの薄いファンタジーというカテゴリのせいで、日本ではサブカルチャー扱いであり、せいぜい「スターログ日本版」(ツルモトルーム出版)とか「SFマガジン」が取り上げる「静かなブーム」といったところだった。アニメ化に挑んだのもラルフ・バクシで、考えてみるとやっぱりサブカルだなあ(笑)。

 指輪物語の出色なところは、主人公をホビット族にしたところである。

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# by hajime_kuri | 2004-02-20 11:37 | 映画 | Comments(1)
a0003784_23380.jpg 作者のデビュー作である。山梨の地方出版社(作者が社長)から始まって中央の出版社から文庫化されるという、出世魚のような作品である。
 通称八馬鹿村(やつばかむら)と呼ばれる因習の村に伝わる奇妙な子守唄。その子守唄に合わせた「見立て連続殺人事件」の物語である。舞台には「獄門」寺というのも出てきますな。
 物語冒頭、村を見下ろす鬼首峠(おにくび、「おにこべ」じゃないよ)にキンダイチという探偵が現れる。小便をしているのである。そこに通りかかった一人の老婆、「はい、はい、おりんでごぜえやす」と書いただけで、もう横溝正史の一連の作品が脳裏によみがえるはず。そりゃあもう全部読んでますよ私は。
 この作品は、金田一耕助シリーズの本歌取り、いわゆる上質のパロディである。元ネタを知っていればおもしろさ三倍増だ。しかし、パロディだからという甘えに乗っかった作品ではない。ちゃんとミステリとして立派に成立している。ミステリとして面白い。
 横溝正史の作品はみんな読んでしまった、もう新しいやつは読めないんだ、と諦めている読者の方に、この作品をお薦めする。ちなみに、この探偵の四季は、秋と冬も存在し、それぞれホームズものと「Yの悲劇」などクイーンもののパロディになっている。
探偵の夏あるいは悪魔の子守唄創元推理文庫←アマゾンへGO!

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1988 獣の歌/他1編・栗林元

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# by hajime_kuri | 2004-02-19 23:38 | ミステリ | Comments(0)

ロメロのゾンビ三部作

「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」(1968)

「ゾンビ DAWN OF THE DEAD」(1978)

「死霊のえじき DAY OF THE DEAD」(1985)


 ロメロのゾンビ三部作である。第一作がベトナム戦争真っ最中。第二作がベトナム戦争直後(終戦3年後)。第三作がアメリカの財政赤字が顕在化した年に公開された。
 その時代の不安をよく表している。第一作は「ゾンビもの」というカテゴリーを生み出した記念碑的作品である。ただ、その後に続いた凡百のゾンビ映画との決定的な違いは作品の質である。

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# by hajime_kuri | 2004-02-18 20:41 | 映画 | Comments(2)
a0003784_65614.jpg ドラマで一世を風靡した、おなじみシリーズの第一作だ。
 『赦免花は散った』は、紋次郎がこの世でただ一人、気を許した兄弟分、日野の左文治の身代わりで三宅島に島送りになるというところから始まる。その時、紋次郎には密かに慕うお夕というかたぎの娘がいた。しかし、流人船が出ようとしたとき、お夕は橋から身を投げて自殺してしまう。自分のためにかたぎの娘を死なせたことに紋次郎は苦しむ。
 三宅島での紋次郎の心の支えは、誰の子かもわからぬ子を身ごもった、同じくお夕という名の女囚の面倒を見ることだ。死んだお夕の供養のつもりである。しかし、その女も身を投げて死んでしまう。それを機に、紋次郎は誘われていた島抜けに加わり、江戸に戻る。するとそこには、死んだはずのお夕の姿が……。

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# by hajime_kuri | 2004-02-18 06:57 | 時代 | Comments(0)

懐かしのPC達

a0003784_235316.jpg今をさかのぼること17年。はじめて買ったのがカシオのMSXマシンでした。
ゲーム機としてのみ使用。
本当の意味でのマイ・ファーストPCはエプソンのPC286C、ニックネームPC-Club(写真・可愛いでしょ)です。NECの9801互換機なのですが、ずっといかしたスタイルでした。
アシスト社のアシストレターというワープロソフトで小説とかシナリオとか書きまくってましたね。
後、ゲームは「ランス3」とか「幻影都市」とか「F15ストライクイーグル」なんてのをやりまくり。
OSはMS-DOSのVer.3。もううれしくてうれしくて、4年以上使っていたのではないでしょうか。
その間、会社で使うためにPC-286F(ノート)を購入。モノクロ液晶です。
会社から業務用にPCを至急されたら、もう時代はWindowsの3.1でした(笑)
で、あわてて自宅に導入したのがPC9821V12(バリュースター)。
富士通のFMVと比較して迷ったのですが、FMVがHDDが1Gで2万円ほど高かったわけですよ。1Gもいらねえよ、と思ってNECにしたのですが、1年後にはSCSIのHDDを増設していました(笑)
CPUにアクセラレーターをかましたりして、こいつも三年以上使いました。
この後は、DOS/V機の自作に走って、もうメーカー品のPCとは縁が切れてしまいました。もっとも当時のパーツで今でも使っているのは3.5FDDだけですけどね。

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# by hajime_kuri | 2004-02-16 23:51 | PC | Comments(4)