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by hajime_kuri

伝奇ロマン「伏 贋作・里見八犬伝」(桜庭一樹)



あまりの面白さに、3時間で一気読みした。
「イ(にんべん)」に「犬」と書いて「伏(ふせ)」。
伏とは、人の姿に生まれながらに犬の性(さが)と能力を持つ犬人間だ。
この物語は、伏を狩る道節と浜路の兄妹と、狩られる伏たちの追いつ追われつの物語である。
構造としては、いわば、日本の江戸を舞台とした「バンパイアとバンパイアハンターとの物語」的なもの。
つまらないわけがない。
この物語の中に、作中作品として、滝沢馬琴の息子・滝沢冥土の書きあげた「贋作・里見八犬伝」が挿入され、狩るものと狩られるものの物語の因果が語られる。
何よりの魅力は、主人公の少女・浜路や、伏の信乃ら犬人間たちのキャラクター造形だ。
まるで、アニメのようなノリの良さと思ったら、すでにアニメ化進行中だった(苦笑)。

欲を言えば、猟師の少女・浜路が使う猟銃がいかなるものなのかの描写が欲しかった。時代的には火縄銃なのだろうが、物語の中では、連射している描写もあり、そのあたりおろそかにできない読者もあろうと思うからだ。ただ、熟練兵士なら一分間に四発発射できたという(昭和末期の実験では18秒程度)というので、火縄銃でも連射でよいのかもしれない。

久しぶりにページを繰らせる力に満ちた作品を一気読みして、ちょっと満腹感を味わっているところである。
給料日直前だったけど、買って悔いなし。

伏 贋作・里見八犬伝

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by hajime_kuri | 2011-01-23 22:22 | 時代