イリュージョン:マジシャン第2幕 小学館文庫 松岡 圭祐 (著)
2004年 12月 17日
「千里眼」でも紹介した松岡圭祐のもう一つのシリーズ・マジシャンである。
主人公は椎橋彬という孤独な少年、唯一の趣味はマジック。両親に絶望した15歳の少年は破綻し家を飛び出し東京へ。“万引きGメン”の活躍を知った少年はマジックの知識で万引きを見破り、若き辣腕"万引きGメン"として一躍マスコミの寵児となる。が同時にそれは、防犯カメラを巧みに欺く真の万引きの天才の誕生でもあった。やがて舛城徹警部補と天才マジック少女・里見沙希の追跡が始まる。というのが今回のストーリー。
彬が犯罪に手を染めていくまでの過程が丁寧に描写され、読者は「ああ、あのころ(十代)はそんな気分だった」と彬にどんどん感情移入していく。
舛城がいいキャラだ。彬の過去を知るにつれ、なんとしても少年法の適応されるうちに逮捕してやりたい、と考える。マジシャンの沙希もまた、彬の孤独な陰に自分自身の分身を見るのだ。
作者の目は温かい。逮捕された彬に、すばらしいハッピーエンドを用意する。それはまた沙希と舛城と、読者にとってもすばらしいエンディングだ。
松岡圭祐の作品は毎回楽しめるが、今回は感動もさせてもらった。千里眼の岬や嵯峨の悩みは、ともすればストーリーのための設定としての側面がかいま見えるのに比べ、この作品ではそれがとてもリアルで共感を呼ぶ。
成長したな作者。これは、俺が松岡の本当のファンになった作品、そう言えるかもしれない。
イリュージョン:マジシャン第2幕 (小学館文庫)
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)
1988 獣の歌/他1編・栗林元
神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元
盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
主人公は椎橋彬という孤独な少年、唯一の趣味はマジック。両親に絶望した15歳の少年は破綻し家を飛び出し東京へ。“万引きGメン”の活躍を知った少年はマジックの知識で万引きを見破り、若き辣腕"万引きGメン"として一躍マスコミの寵児となる。が同時にそれは、防犯カメラを巧みに欺く真の万引きの天才の誕生でもあった。やがて舛城徹警部補と天才マジック少女・里見沙希の追跡が始まる。というのが今回のストーリー。
彬が犯罪に手を染めていくまでの過程が丁寧に描写され、読者は「ああ、あのころ(十代)はそんな気分だった」と彬にどんどん感情移入していく。
舛城がいいキャラだ。彬の過去を知るにつれ、なんとしても少年法の適応されるうちに逮捕してやりたい、と考える。マジシャンの沙希もまた、彬の孤独な陰に自分自身の分身を見るのだ。
作者の目は温かい。逮捕された彬に、すばらしいハッピーエンドを用意する。それはまた沙希と舛城と、読者にとってもすばらしいエンディングだ。
松岡圭祐の作品は毎回楽しめるが、今回は感動もさせてもらった。千里眼の岬や嵯峨の悩みは、ともすればストーリーのための設定としての側面がかいま見えるのに比べ、この作品ではそれがとてもリアルで共感を呼ぶ。
成長したな作者。これは、俺が松岡の本当のファンになった作品、そう言えるかもしれない。
イリュージョン:マジシャン第2幕 (小学館文庫)
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作者・栗林元は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)
1988 獣の歌/他1編・栗林元
神様の立候補/ヒーローで行こう!・栗林元
盂蘭盆会●●●参り(うらぼんえふせじまいり)他2編・栗林元薔薇の刺青(タトゥー)/自転車の夏・栗林元
by hajime_kuri
| 2004-12-17 06:08
| ミステリ