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「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

「本棚探偵の冒険」喜国 雅彦(双葉文庫) 

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古本好きなら、うんうんとうなずく笑えるエピソード群。
喜国さんの文章の達者なことにも驚いた。

「傷だらけの天使たち」「日本一の男の魂」などの著作で知られるマンガ家・喜国雅彦。彼が古本マニアとは、これを読むまで知らなかった。古本にまつわるエピソードを独特な語り口とイラストで表現。古本が決して嫌いなわけではない俺など、思わずニヤリとする話ばかり。
特に、角川文庫の横溝モノから本の収集が始まるエピソードは笑った。
あのころ、角川はよく文庫カバーの架け替えをやったのである。おかげで、俺の本棚には、大藪春彦の「復讐の掟」が三冊ある。当時、大学生の俺が、カバーが変わったのに気づかずに、新刊と思って買ってしまったものだ。しかも、読み終わって本棚に入れる段階まで、すでに読んでいたことに気づかない。ストーリーがみなほとんど同じという、大藪作品だからこそである。大藪作品に関して弁護すれば、彼の作品はストーリーではなく、その語り口やシチュエーションや小道具などを味わうものだから、俺にとって、ストーリーはあまり重要ではないのである。
ちなみに、俺の古本の中で、一番高そうなのは、湊屋夢吉の「紅龍異聞」だろうか。

「本棚探偵の冒険」喜国 雅彦(双葉文庫)
by hajime_kuri | 2005-04-05 20:32 | エッセイ