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「読書記録」を中心に、読んだ本、見た映画の記録、書評、ブックガイド、その他日常の徒然ね。


by hajime_kuri

「今度、死ぬことになった」(作・弾射音)

リアルな迫力を持った心理描写。


この作品集は、いずれも「死」をきっかけとする主人公の心に焦点を当てた作品が集められている。
表題作の「今度、死ぬことになった」は、タイトルだけで読者の気持ちを掴んでしまい、無理矢理最後まで読み切らせてしまうという、一種力業(ちからわざ)の異色作だ。
感心したのは「ついさっき、人を殺してしまいました」である。同じようなキャッチーなタイトルだが、これはリアルだ。
殺人を犯した主人公が、ツイッターにつぶやいた「つぶやき」だけで描写された作品である。ノイローゼになった主人公が、その原因となった上司を殺すまでの心情を吐露する「つぶやき」のリアルなことよ。
うつで会社を退職した俺には、そのリアリティーの迫力に感心した。
「つぶやき」だけで作品を成立させるという自己に課した制約を軽々と越えてみせる作者の並々ならぬ力量に感心せざるを得ない。
「ラフター」は、PCの中のAIとの対話だけで小説を成立させた、これも実験作である。
たとえ実験作でも、ぐいぐいと読ませる作品にして提示してみせるとは、心憎いなあと感心した。
今度、死ぬことになった 弾射音短編集 ミステリ編

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作者は小説を書いています。よろしければお読みください。(Kindle版です)

1988 獣の歌/他1編

神様の立候補/ヒーローで行こう!
by hajime_kuri | 2014-08-21 23:02 | ミステリ